第24期予選時の、#1ペットの効用(戸田一樹)への投票です(2票)。
『短編』では各期筆頭に出ている作品はあまり感心しないものが多く、時にあとを読む気力を奪われる場合さえ少なくなかったように思うのだが、今期はちがった。
この作品は、テーマ・モチーフ・文章のすべてにわたって、文芸誌の小説をうまく凝縮したようなバランスの取れた充実を示していると思われた。お読み得として勧めることが出来る。
ゴキブリは主人公の生命力の象徴として、考えることができるのだろう。彼女がゴキブリを飼いだした動機は判らないのだが、飼い始めてどうなったかはよく書いてあると思った。(海)
参照用リンク: #date20040808-113303
きちんとしたスタイルがある。ここで言うスタイルとは、作品中の一定した空気、自己同一性、そういうものである。ある一点、ひとつのテーマに向かってすべてが収斂していく。そのテーマがタイトルになっている。最上の意味で何も裏切らない作品だ。
参照用リンク: #date20040807-230719