第236期決勝時の、#2怒りの壺(朝飯抜太郎)への投票です(1票)。
#4
文体の好みをさておいても、後半の電気とネットの下りは言い訳じみていて、この一文のせいで途端に嘘臭くなっている。作者さんに都合よく作られた舞台というか。穏やかな終末には穏やかな描き方があり、グロテスクな終末にはグロテスクな描き方がある。本作に書き割りのゴキブリとネズミは必要だろうか?
作品の舞台はどのような状況か、そして作者さんは何を書き、何を書かないでいるべきかをもっと掘り下げるとよいと思う。真に迫った舞台は、登場人物の感情にも重みを与えるのではないだろうか。
#6
三作品のうち最も読後感がよく、作者さんの作品の中では好みの路線だった。最近の作風は穏やかな傾向があり、安心して読ませて頂いている。反面、印象には残りにくかった。まあそういうものだよねで終わってしまうというか、斬新さが感じられなかった。(これは単なる読み手とのアンマッチなのかもしれないが。)
#2
本作についても、斬新さという意味ではあまり強くはない。ただ、文体の巧みさによる牽引力が他と比べて勝っており、ありがちな展開ではあるものの(それゆえ王道とも捉えられなくもないが)ラストの空虚感の表現が光っていた。本作に票を投じる。
他の方の感想で好みの問題に触れられていたが、正直仕方がないというか、それも含めて感想だと思っている。ただ稀に好み云々を超えて突き刺さってくる作品があり、感想を書かれた方はそういう作品を求めているのかなと思った。結局何が言いたいかよくわからなくなってきたが、まあ、そういう次元の作品を書きたいですねという話です。
参照用リンク: #date20220606-000231