第230期予選時の、#3ここは海だった(三浦)への投票です(4票)。
なんか、読み返し、段落を戻って。。。最後まで読んでしまった。
??? 話のスジはわからない、、、けど。
参照用リンク: #date20211129-111327
読み切れないが、想像をかき立てられる作品。一段落で二人の関係性が端的に示され、通底する緊張感が生まれる。二段落で場が提示され、人形というよくわからないイメージが与えられる。三段落の語りは加瀬によるものだろうか? 弱くタイトル回収。最終段落で三段落のタイトル回収が強められ、印象的な絵ができあがる。最終的に澤が魅力的に映る点が、この作品を小説たらしめているように思う。
参照用リンク: #date20211124-021540
短い文章だがイメージ喚起力がすごい。ただわからないところはわからない。
街中に(たぶん無料の)足湯があるのはさびれた温泉街というような感じを想像した。
もっと幼いころ、おそらく仲が良かった澤と加瀬、今は決定的に変わっている。人形というのが、なんか超能力や呪術のようなファンタジーを感じさせていて、世界観をさらに広げているようでわからなくなっているような。
#1 次こそ死神
読み返すと最初のテスト終わりの中学校のさわやかさ、それに反するような子供部屋の快い緊張感などの文章が好みでうまいなと思った。中学生にしては、シーツで死神の幼稚さ、ごっこ遊びの中途半端さが残念だった。もっと突き抜けてほしかったけど、真面目で悪いヤツではないことが伝わった来た。
#2 きこりのお話
みなさんが、きこりに対する好感で笑っているとしたら、「幸せに暮らしました」がしっくりくる。
超常的な力に頼らなくても、幸せに生きていく、持っている人間の話と読んだ。そう考えると、話の中心は「泉の女神」ではなく、このきこりそのもののキャラクターとなってくるのが、いいなあと思った。昔話って、ギミックとか話の構成に興味が良く感じなので、新鮮な感じ。
#5 Tさん
すっと物語やキャラクターが入ってくるのはうまいと思った。ただ、こうどこかでみたような関係性というのは否めない。父親は、「それ以上の幸せも伝わってきた」という感想を、どういう気持ちで言ったんだろうかな。本当によかったと思っているのか。
#6 ウサギ人間
世界観がちぐはぐな感じがして乗れなかった。ちぐはぐでも存在してしまう、現実の理不尽さを表しているといえば、狙ったものなのか。整った世界観で安心したいのは「襲われる危険が少ない人か、金持ちだけ」。読んだ人を不安にさせるという意味では、これでいいような気がしてきた。
#8 映画
わからん。映画を撮ろうとした結果、自分自身を掘り下げて、ばらばらにして、元あったものがなくなって、新しく生まれかわったということなのか。一皮むけて映画監督になったということ?
気味が悪い怪物描写は良かった。自分がそんなになるとか怖すぎる。
参照用リンク: #date20211117-222727
奇怪な文章。文体にリズムや美しさがあるため、何かあるかも、と思い何周か読んだが、作者が「これで完成」と思った意図を発見できてない。わかる方に託す。
・「輪郭が揺らぐ。」足湯につけた加瀬の足の輪郭ととった。
・「脚が増えて、遅れて澤の腕が伸びた。飲めよ。」澤の足が足湯に入り、澤が加瀬に飲み物を渡すシーンと読んだ。
・「咀嚼と渚がまぐわう音」まぐわうの表現が気になるが、渚を楽曲名と取った。同名の楽曲の歌詞にも当たったがこの作品に還元したいような内容は発見できず。かつて海だったここにかつてあった渚の音、渚という名前の人物、どちらも検討したが証拠不十分。
・「人形」が何者か。にんぎょうか、ひとがたか。また傷の処置との関係は。自分の中で定説が定まらず保留。この人形についての描写があるためこの作品が現実かファンタジーかメタファーかわからん。
・血が出ている傷口を足湯につける倫理観。あまり現実世界っぽくはない。
・「澤」「加瀬」「渚」といった氵のつく固有名詞とタイトルにもなる「海」の関係。何かのメタファーや暗号かと思ったが、わからん。
・声なき加瀬。気になったが、その意図がわからない。
・「ここは海だった」というタイトル。作中の舞台は、海ではなく、どこかの温泉地で、しかも「海だった」ことが意外な場所ということで、内陸の山の方のような気がする。これがタイトルであることに注目し、この作品を「これは小説だった」もので今はその影がないものというメタ作品として解釈するのはどうだろう?意味の固定化や物語としての体裁より、文体の調子を重視したのではないか。
”「どの作品が優れているか」という観点”ではないかもしれないが、惹かれるものがあり感想を寄せたくなったので投票。
参照用リンク: #date20211117-184557