第228期決勝時の、#8ごっこ(Y.田中 崖)への投票です(2票)。
『居場所を持たぬ者たち』
最後がいいと思ってそこばかりに注目していたが、冒頭もなかなか。どこがいいかというと、ぶらさがりの繰り返しや花火の繰り返しで、時給が百円上がったうれしさが隠しきれていないところ。
『ごっこ』
労働ごっこの精緻さは、読めば読むほど真面目で、身につまされ、そしておかしい。
「お疲れ様です。お先に失礼します」
「おう、お疲れ」
さんざんなじった後にさらっと帰る・帰らせる辺り、ごっこがしっくりくる。自分のためではなく、仕事のために怒ったり焦ったりして、でもチャイムですぱっと切る。『居場所を持たぬ者たち』がバイトしようが夢を追いかけようが諦めようが継続する自分を書いているのに対し、『ごっこ』はそういったものをぶった切る感じがした。これはもう好みの問題として、今回はこちらに投票。
参照用リンク: #date20211005-181111
ああ……、子どもが一人でごっこ遊びをしているということか。
だから「まあくん」が出てくるわけだ。
予選で読んだときは、家の中の窓と壁が会話をしているのかと思った。
窓に映る風景(空や草や花など)を、壁くんが作っているのかと。
いずれにしても、淡々と進んでいく感じがいいので一票。
参照用リンク: #date20211005-172520