第228期決勝時の、#2ババーシッチュ(テックスロー)への投票です(3票)。
#1は閉塞感や諦念、斜に構えた視線が好み。語り手の現状やそれまでの経緯、石田との思い出がラストの台詞に集約しており、一言で言い表せない感情が描かれていて良い。
#2は偶然に鉢合わせた二人の会話から始まり、最終的にそれを見ている観測者の内面を描き出す構成。台詞の反復や選ばれている単語の語感がよく、読んでいて楽しい。単語が伏線にもなっている点は見事。
光の当て方は異なるが、どちらも人間が生き生きと描かれており投票に悩んだ。高い技量と読む楽しさが勝ったので#2に一票を投じる。
参照用リンク: #date20211006-124039
予選時同様にこの作品が一推しです。テンポの良い話の運びの裏に、ほのかに重層的に描かれる様々な物語に惹き込まれました。
『居場所を持たぬ者たち』は、いろいろ自分に言い訳をしながら、夢に向かって頑張り続けている友人に対して嫉妬しているだけなのがどうにも悪い印象しか抱けず、残念でした。千住 博氏は三人の子供たちに「三十までは夢を追っていい」と言ったそうです。26歳はまだ若く、夢を求め直してもいい年齢だと思います。
『ごっこ』は、部下の能力を把握できてない駄目上司の典型ですね。まぁ、きちんと指示すればできる人を、待てない人が多いのも現実ですが。
参照用リンク: #date20211005-093542