第221期決勝時の、#9SUNRISE BRAVE(歌:日輪ルル)(志菩龍彦)への投票です(4票)。
このお話の怖さが印象に一番強く残りました。
「世にしたがへば…」は方丈記を読んでいないので、正直私にはなんとなくしかわからないです。現実社会のいやーな感じは確かにそうだなと思うんですけど、それ以上のことは感じなかったです。
「名告り」はショートショート的世界観でテーマも面白いですが、ちょっと説明的過ぎる印象でした。
参照用リンク: #date20210310-184645
本作のみならず、予選投票の他の方の票の、”(前略)こういうことは、常に警鐘を鳴らすべきだし、当然、小説や文学の分野でも訴えるべきことだと思う。”にもとても共感しました。こうなってしまったら手遅れですものね。
『世にしたがへば、身くるし。』は読み直してみて、世の中の半数くらいは”世に従っても苦しくないのだろうな”などと思ってしまいました。それだけに、少数者があまり肩身の狭さを感じずに済む社会が望ましいのだと思います。自分もいつ身が苦しい立場に陥ってもおかしくありませんから。
『名告り』は…、所属する立場や状況が変われば呼ばれ方も変わり、そこで新たなアイデンティティーを確立するしかないことを感じます。バッタ研究者の前野ウルド浩太郎さんを始め、現地名を持つことで土地に根ざす方も多くいらっしゃいますね。
参照用リンク: #date20210308-093141
良くも悪くもハリウッド映画的な小説。この小説の真価は、このスケールを1000字で綺麗にまとめていることだと思う。
「むぎちょこ」
不条理小説は、このサイズの小説とよくフィットすると思う。むぎちょことの相性もすごくいい。もう一歩何かあれば、投票していた。
「世にしたがへば、身くるし」
いいのかわるいのかわからない
「名告り」
今子育てをしているせいか、名前がない環境で子どもを育てられることが想像できず、最初に躓いた。人間の社会では個体識別がないのは難しい。ことに自我意識の強い小説では。だから、人間社会ではない物語世界だとすると、後半がずれてしまう。この世界の整合が、1000字で説明しきれないのではないかと思う。テーマはものすごい好みなので、2000字か3000字であれば、もっと面白くなったのではないでしょうか。
参照用リンク: #date20210307-203736
日本では、芸能人が政治的な発言をすると煙たがられるという風潮があるが、それはあまり健全ではないと個人的には思う。
しかし、この作品のように、芸能人のような影響力のある人物が政治的な発言をすると、世論を大きく動かす力になって、時には、社会が悪い方へどんどん向かってしまうこともあるだろう。
だから、それは一長一短かもしれないが、本当に大切なのは、国民一人一人が理性的に判断できるようになること。
でも、それが難しいのが世の常で、「日輪ルル」のような存在は、形を変えながらいつの時代や場所にもいるものだよなと思ったし、この作品を読んでいて、背筋が少し寒くなった。
参照用リンク: #date20210306-181040