第22期決勝時の、#14ぼくのビンラディン(朝野十字)への投票です(3票)。
予選で自分が推したうち残ったのは『マジカル・マナ』だけだったので、本当ならばこれに義理を立てとおすべき所だが、自然に気が変わった。まあこういう事があるから予選・決勝という仕組みは面白い。
なんと言っても表現の冒険というか、頭から全体の八割がた機関銃のような語りがつづき、最後の最後に状況説明がポンとついて終わる、という形はこれまで見たことがない。ふつう中学生の女子がこんな風に喋るとは思えないが、書き言葉として別次元のリアリティを獲得しているとおもう。
『Antipodes』は、私にはまるっきり読めなかったので、予選を通過したのは意外であった。改めて読んでみたが、やはり私の好きな種類の文章ではない。ただ日常的な言語水準から離陸を試みていることは確かであり、こういう文章もまた『短編』にはなかったと思うので、今後に注目したい。
『花を抱えて』も『マジカル・マナ』もよかったが、上の二作に比べれば、見慣れた巧さだった。かと言って新境地を無理やり開くべきだなどと言うつもりもなく、今期は私の期待は新風に傾いたというだけのことであった。(海)
参照用リンク: #date20040622-122237
小説っぽくするためにくっつけただけのオチか、と最初は思いましたが、これがあるからこそ、読後感がさわやかなのでしょう。「ボクの側」と「あちら側」にバサッと二分するあたりが中学生らしくてかわいいと思います。
参照用リンク: #date20040613-223432