第211期決勝時の、#8静心なく(ゼス崩壊)への投票です(2票)。
受験勉強、春からそんなに頑張っていたら心が保ちません。運動部の生徒は三年生の最後の大会が終わってから受験勉強を始めるので、時間がないぶん集中して、早々と始めていた他の生徒をゴボウ抜きにする、と言われています。気が逸る生徒を穏やかに諭す先生に春の優しさを感じました。
『鏡の向こう側』も素敵な話で、重い話を最後に軽くしているところも素晴らしかったのですが、冒頭と中盤以降にギャップを感じました。ただ、悩み苦しんでいる少年少女をどのような形でも励ましてくれる存在がいてくれるのなら有り難いことだな、と改めて思いました。
『春のひぐらし』は”しふしふしふ”という擬音も、庭園の雰囲気も、女性の視点も良く、心を穏やかにさせてくれる一品ではありましたが…、最後のシーンを上品にではありますがこのように描く必要があったのか、ちょっとひっかかってしまいました。そのような体調のときのアンニュイさ、ということなのでしょうか?ちなみに、ヒグラシは秋の季語にはなっていますが、6月下旬、他の蝉より早く鳴き始めるそうです(春とは言いがたいのですが)。”カナカナカナ”という鳴き声のイメージが強いのですが、音声ファイルを聴いてみたところ、”しふしふしふ”と聞くこともでき、作者の感性には改めて驚かされました。
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