第210期予選時の、#3桂馬の憂鬱(テックスロー)への投票です(5票)。
桂馬の性格が可愛い。将棋に限らず、駒を動かす系の遊びを、相手の分も合わせて、
自分がひとりで動かして遊ぶとき(人生ゲームや、駒ではないですがトランプとかでも)、
物語を作る癖があったことを思い出しました。洗練されるとこういう作品になるんですね。
参照用リンク: #date20200331-005245
私はこの書き手のファンなので、ぼーっとしてると無意識に、半自動的に毎期投票してしまいそうになります。
だからいつも厳しめに採点するように心がけているのだけど、やっぱり面白いなあと思う。
冷静に考えて、駒を動かすのは指し手である人間以外ありえないのだから「香車と飛車の事故現場に仲間の制止を振り切って飛び出した」というのはおかしい。でも読み進めるうちに豊か過ぎる想像力や文章力に圧倒され、細かな矛盾などどーでもよくなってくる。そこがテックスローさんの魅了であり才能だと思う。
参照用リンク: #date20200324-224743
『何かになれると思っていた。』は若者へのエールとして推したかったのですが、前半と後半がややちぐはぐに感じました。どう歩き始めたらいいのか判らないのが青春の苦悩ですね。『Rebellion』も気に入ったのですが、観念が整い過ぎ、上品過ぎてインパクトに欠けました。『桂馬の憂鬱』は、駒の擬人化は他で見かけたことがないわけではありませんが、交通事故と捉えたり、他人事が自分のことになって脅えたり、という様がよく描けているように感じました。…ちなみに、王手桂取りで王が逃げたり角に合駒をしたりしても、桂馬が取られるとは限らないので、その辺はご愛敬です。
参照用リンク: #date20200316-091645
素晴らしい寓話。いったい何が教訓なのかはよくわかりませんが、読んだ後自分の人生と照らし合わせて考えさせられる。
駒として生きた果てに、死ぬ間際になって自分をしっかりと認識できるというところは切ないけど、いかにもそうだろうなという気もする。
参照用リンク: #date20200315-223942