投票参照

第208期決勝時の、#7始まりの物語(えぬじぃ)への投票です(3票)。

2020年2月4日 22時35分38秒

始まりの物語を聞く聴衆が、誰もかれも、それ以前に物語を聞いたことのあるような振る舞いを自然にできていることが引っかかった。
イグイの話を聞いている聴衆には、物語を娯楽として捉えるだけの余裕が備わっている。「つまらん」と吐き捨てて去った男は、すでにそれ以前につまらなくない状況を知っていたことになる。一人で剣歯虎を倒すことに、「危険な剣歯虎に近づくときは石槍を持て」、以上の、何かの意味を見出して、それを表現することをイグイに期待している。うまく言えないが、始まりの物語は、会えば即死の剣歯虎に会って死なずに帰ってこれた、という、そのこと自体が物語になるのではないかと思った。我々が生きているこの世界より、イグイが生きていた時代のほうが、情報の濃度が濃かったとでも言ったらいいのだろうか。物語は、膨らませることができる、というのは、それを受け取る側が、膨らみを受け取る素地があるということ、そしてその物語が多数に支持されるということは、命に係わる情報がすでに十分にみんなに共有されているということだと思った。
長々と書いてしまったが、始まりの物語という視点はとても新鮮だったし、書きぶりもとても好きです。

参照用リンク: #date20200204-223538

2020年2月4日 21時48分15秒

3作とも好きな作品だったので大変悩みました。が、今回は『始まりの物語』に投票します。
剣歯虎討伐のエピソードが次第に膨らんでいく過程が楽しかったのと、予選票でも書きましたが、最後の一文が広がりに満ちているように感じられて、とても良い作品だなとあらためて思いました。

参照用リンク: #date20200204-214815

2020年2月3日 12時56分33秒

三作品とも読み直してみて、他の方の感想も読んでそれぞれの良さを再確認もしましたが、やはりこの話が一番好きでした。聞いてくれる人を喜ばせようと、つい話を盛ってしまうというのは、「分かる分かる」という気にさせてくれます。

参照用リンク: #date20200203-125633


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