第20期予選時の、#9谷間にて(赤井都)への投票です(6票)。
星新一の創作民話のような、よく意味はわからないが、なんだか気になるお話。文章もきれい。メタファをかんぐれば、同人ウケ――同じく物語の創造に苦心している人たち向け――に堕してしまいそうなので、あえてしない。
参照用リンク: #date20040408-233210
作者が自らのホームページの掲示板に「推薦作品は自作品一点のみ」と記しているのを瞥見した時は、まあ冗談にもせよこんな事を公言する人には入れたくないと思ったのが正直なところであるが、作品そのもので判断すれば、口惜しいようだがやはり今期はこれを筆頭に挙げざるを得ない。
赤井氏を他の群小の作家から区別しているものは、自分が言葉を積み重ねて構築する世界への信仰の強靱さであろう。これは自分一人の美意識に安住した繊弱な自己満足とは似ているようで全く違うものである。用語や修辞は特に奇抜でもないが、その奥底に秘められた骨は太い。それでいて骨格標本のような殺風景にも陥っておらず、「小説」としての外観をしっかりと備えている。
参照用リンク: #date20040408-211419
場面の転換が多いのに、文章につっかかりがないのはさすがです。その一つ一つの情景もとんでもない。鮮やかで否が応にも印象に残ります。
参照用リンク: #date20040408-210526
「何でもいいなら何か話せるだろうに」とか思いましたが、まぁ怪談ですもんね。
主人公がこの体験を誰かに話した後の展開でも何か書けそうな、勝手な期待感を抱いてしまいました。
参照用リンク: #date20040328-012050