投票参照

第20期決勝時の、#9谷間にて(赤井都)への投票です(7票)。

2004年4月22日 23時36分22秒

 『ぽん!ぽん!ぽん!』は、たんに未完の小説だろう。この先にオチがあるはずだと思えてならなかった。これがオチだというならば、あまりにも弱い。文章もちょっと雑然としていて構成もゆるく、スマートにオチへと到達しえない。ダメなショートショートの感。
 『火星少年チャーラン・プー』も未完の感がある。懇切丁寧ではあるが退屈な文章で「現時点の問題」に至る経緯が説明してあるだけに思える。かわいそうな弟とやさしい姉がいる、という設定で終わっている。この先にある物語こそ読者の聞きたい話であろう。なんら未来を暗示するものもなく、この火星少年に待っているのは生も死もない完全な無。彼に存在感はない。
 『ハレとケ』はストーリーとその見せかたも悪くなかったが、文章に芸があった。ただ、この物語はむしろ質素な文章で活きるように思え、ゆえに随所のコった文章づくりに虚飾の感がくどく濃い。
 そして『谷間にて』である。文章にソツがなく、話の運びもごく自然に見せる。ただ立っているだけなのになぜスキがないのだ、といった無刀の剣聖のような作品。しかし、話がなければ水をもらえない、すなわち、みずからのすべき物語を文字どおり渇望する設定はあざといまでに『短編』の作者兼読者をとらえるという、言葉は悪いが狡智がかくれている。
 キズを探しての消去法で『谷間にて』に一票。あまり積極的じゃないけれども。相手がよかったと言えよう。

参照用リンク: #date20040422-233622

2004年4月22日 23時5分0秒

場面転換がやっぱり見事。

参照用リンク: #date20040422-230500

2004年4月22日 22時10分56秒

予選でも投票したから。と、言うわけでないが、やっぱり第一印象で決めました。

参照用リンク: #date20040422-221056

2004年4月22日 9時16分16秒

 『谷間にて』は、予選の段階からいちばんよいと考えていたので、トップでの通過は個人的にも嬉しいことで、新たに述べるべきことも無いようである。
 しかし各作品を改めて読んでみると、他の作品もそれなりに悪くはなかった。特に『ぽん!ぽん!ぽん!』は、イラクでの邦人人質事件が起きた後で読んでみると、国家なる怪物を個人があざやかにうっちゃるという結末にはいっそう快哉である。(現実はもちろん、国家意思が個人に優先するという思想が、何の疑問もなくこの国に浸透したようだ)
 『ハレとケ』も、最初読んだときは変に凝った表現ばかりが意識されたが、再読してみるとゆっくりと浮かび上がって来るものがあるようだった。しかし、はっきりと指摘は出来ないのだが、一種の視点の揺れが漠然と感じられ、不安定な気分が残った。
 『火星少年チャーラン・プー』は、話そのものとしては救いがないようでもあるが、少年の清冽な哀しみを丁寧に形象化して、作品全体としてある一つの情念を漂わすのに成功している。表面的には何一つ解決してはいないのに、作品としては完結した印象を与えるというのは、これはなかなかなことだと言える。

参照用リンク: #date20040422-091616

2004年4月15日 3時1分0秒

纏まってていいと思います。

参照用リンク: #date20040415-030100

2004年4月14日 10時58分5秒

奇譚好きなので。ラヴクラフトっぽい作品タイトルと、テンポの良さがミスマッチで面白いと思います。

参照用リンク: #date20040414-105805

2004年4月11日 21時55分16秒

今期はビッグネームが連なっている期なので、是非是非投票という形で参加しようと心に決めて……予選投票をし忘れました。すみません。
でも、この作品しかないと最初から決めていました。
これはすごいです。

個人的な好みかもしれませんが、冒頭の「250ccオフロード」という現代という時代を限定させるカタカナ言葉を入れない方が、時代範囲がもっと広がるのになぁとは思いました。

参照用リンク: #date20040411-215516


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