投票参照

第175期決勝時の、#7そうじゃくなて(わがまま娘)への投票です(3票)。

2017年5月3日 21時10分14秒

 めちゃくちゃ評価できる作品が今回あったとは思わない。
 前回、前々回と安定して作品を発表している作家の安定した作品が上位に並び、まぁ、妥当な状況だなぁといったところが今回の総評となる。
「部屋」は構成もしっかりとしていて、読み物、娯楽として面白い作品だと思った。裏を返せば構造に不備がない分、パターン化した作品創作の過程のようなものをどうしても感じてしまう。どうしたら作品が面白くなるのかといったセオリーや、テキストのようなものを作家が意識的か無意識的かは別として取り入れているのは分かる。それを踏まえた上で尚、娯楽として楽しいものを創作していることには感嘆している。
「そうじゃなくて」には作家の一皮むけた感覚を感じている。取り憑かれていたものを捨てることに成功して、フランクな姿勢が見え隠れするといった表現が正しいのかどうか、分岐点は172期から始まったと推察する。それ以前の数作には小説を書いてやろうとする気概が見え隠れしているが、どうもこの作家にはそういった攻略姿勢はあまり似合わないように思う。作家本人はそんなこと微塵も思っていないかも知れないが、とらわれない澄んだ何かを取り込むことに成功したように思う。
「夜桜」は予選では入れなかった作品である。ある一定の評価を獲得できる作家であることは過去の票数で分かる。ただ、私には受け付けられない部分があるので、私の評価としては三作品の中では最下位になる。

参照用リンク: #date20170503-211014

2017年5月2日 17時59分43秒

読めば読むほど、娘と母親との関係がどういうものだったのか、深読みしたくて仕方がなくなります。
その関係の機微を、家、および、荷物で描写されているのが、すごく巧みだと思います。
語り手の夫がかなり鈍感なタイプらしいのが見えるのも、語りの描写を引き立てていて、とても面白く読みました。

参照用リンク: #date20170502-175943

2017年5月1日 23時23分59秒

この作品が面白いのは、妻の母の死という、本来ならシリアスにしたり心温まる話にするような題材を、家の重量バランスがおかしいという話にしているところ。そして母を失った本人(妻)の視点ではなく、その配偶者(夫)の視点から客観的に描かれているのも面白い。妻の心境をあれこれ説明することなく、起きた出来事をただ客観的に伝えることで、読み手に、物語の奥に流れているものを想像させている。(euReka)

参照用リンク: #date20170501-232359


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