第173期予選時の、#8騎士団長殺し(三浦)への投票です(2票)。
一文一文が短くて、とてもシンプルな文章のせいか、読んでいると紙芝居を見ているような気分になる。
物語の内容は、人や小鬼や竜などをやたらと殺すというもので、昔話や伝説によくあるように、生や死まで記号化されている。この記号化とは、いわば、人間の感情を持たない「神の視点」で語ることであり、表面的には残酷さを感じさせないような効果がある。しかし、それ故にどこか気持ち悪いものが残るという感覚があり、その「気持ち悪さ」こそがこの作品の狙いなのかなと思う。(euReka)
参照用リンク: #date20170228-221009
前作の流れを組む語り口。
私と彼ではなく、彼と私というところに彼主体の想いがあるように感じた。そこには、独立した私があり、独立した騎士団長がある。私は彼に寄り添うことで彼と生きていく決意をする。彼が死に、以降、私たちという表現に変わった。ここは騎士団長と私ではなく、私と騎士団長である。
「私たちをおぼえているかと私たちは言った」
これは私の発言である。騎士団長の発言ならば「私たちをおぼえているかと騎士団長は言った」となる。
一歩間違えば陳腐な小説となってしまうが、踏みとどまっているところに好感が持てる。
参照用リンク: #date20170219-182119