第173期予選時の、#13そして夜は俄に輝きを増して(伊吹ようめい)への投票です(2票)。
前半の靄に隠れた助走から、後半の開け放たれる感情の持って行き方はドラマチック。
「あまりにもオリオン座」「バカみたいに明るい月」など、悲しさとの対比で表現される言葉群が心地良かった。こういう傾向の小説はどうしても暗くなりがちだが、それがなく、明日(今日)が見えてくる。これは重要なことで、明るい気持ちを誘う小説はやはりいい。ただ、こういった何気ない日常を切り取った小説は往々にして推進力に欠ける。この静けさを良しとするか、物足りなさを感じるかで票が分かれるところだ。
参照用リンク: #date20170219-182119