投票参照

第173期決勝時の、#8騎士団長殺し(三浦)への投票です(2票)。

2017年3月3日 21時18分0秒

「DODO'S BACK」は予選票で入れなかったのではずす。
で、残りの三作品であるが、
「めぐるめぐすり」には、作者の作品作りに対する方程式(今回で言うと、雪だるまとのSEXから鳥の一部位に変容する意味のつながらない変化がそれに値する)を感じている。一定以上のレベルの作品を毎回創作しているものの、方程式に沿った作品作りがマンネリを生んでいることも事実である。マンネリでもずば抜けた作品であれば票を入れるが今回はそうではなかった。希望的観測で別なタイプの作品も読んでみたいのである。
「そして夜は俄に輝きを増して」については、予選票でも書いた推進力が問題となった。推進力とは何かを私なりに考えていて、今は、何となく前に嗅いだことのあるにおいだと思いはじめて(現時点での感想ではそうであるが、その後変わるかも知れない)いる。
 見慣れた景色なのに心がざわざわする感覚から、記憶を辿っていくと実は違っていて前と何も変わっていなかった。というような流れが、どこかで読んだことのあるモノとして体感されてしまう。これが個人的な体験からくるモノなのか、似た小説をどこかで読んでいたのかは定かではないが、においがあることで新鮮味が失われ釈然としないものが残る。
「騎士団長殺し」が、ずば抜けていいとは思っていない。村上春樹に寄せた想いも知らない。事実の羅列だけで、内容だけ見ればつまらないおとぎ話である。表面だけさらえば味気ない物語である。それでも、私が感じ取った好感には魅かれるものがある。陳腐と表裏一体な作者の方程式(○○は言った。○○を殺した。などの文末処理方法)には無垢を感じる。
 変な言い方かも知れないが、作品の完成度だけで票を入れるかといったらそうではない。少し破綻していたり、少し狂っていたり、何かしらの魅力、そう魅力がなければ、なのだ。今、分かった。「騎士団長殺し」には魅力がある。だから、票を入れる。

参照用リンク: #date20170303-211800

2017年3月2日 21時9分5秒

『騎士団長殺し』というタイトルは、もちろん村上春樹の新作のタイトルから取ったもので、三浦さんの書いた本作品は、村上春樹の新作発売前に書かれたものだ。だから、本作品は『騎士団長殺し』というタイトルから想像を膨らませて書いたものということになるだろう。そしてその想像とは、村上春樹は新作でどんなものを書くのかという予想ではなく、今話題になっている『騎士団長殺し』というタイトルを使ったらどんな物語が書けるのかという想像(試み)なのだろう。
この作者(三浦さん)の才能というか魅力は、一見馬鹿げたような発想のものでも、ちゃんと作品として仕上げてしまうというところか。
それから、決勝4作品の中からこの作品を選んだ理由は、内容以前に、読んでいて楽だったからということ。「楽だった」というのは、読んでいて、ちゃんと頭の中に内容が入ってくるということだと思う。そして内容も、少し狂った昔話のようで面白かった。(euReka)

参照用リンク: #date20170302-210905


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