第162期決勝時の、#17街(かんざしトイレ)への投票です(2票)。
#6
迷った。ゲームのワープを思わせる黒い渦も好みだし、淡々とした語り(冒頭の好き以外に感情が直接的に書かれていない点)とラストのどうしようもなさが良い。平行世界? 1000字で説明がくどくないSFも書けるんだと気づかされた(もちろん技量がものを言うが)。
なので本当に悩んだ。さらにウィットに富んでいたりしたら間違いなくこちらを選んでいただろう。ただそれは物語とは調和しないかもしれない。
#9
地の文を語るという発見。楽しかった。ただ繰り返し読むと言葉の使い方に粗が目立つ。
#12
発想のみでラスト投げっぱなし、カタルシスもない。ネットスラングを使うならもっと効果的に使ってほしいし、であれば小説である必要はないと考える。既知とは思うがユーカリは人間には毒だ。
#17
今期はこちら。端から見るととるに足らないことでも当人にとっては一大事、というのは読んでいて楽しい。執着に人となりが表れると常々思っていて、そういう意味で人が描けているこの作品を評価したい。細かな部分では「トイレのふたを開けたら」の繰り返しと「当然である。」の言いきりがよかった。最後に唐突に「街」が出てくる点に違和感がある。あとは折角の恐怖・不安を「おっくう」という中途半端ネガティブな位置に落としてしまうのはもったいない。もう一歩、跳躍してほしかった。
参照用リンク: #date20160407-125156