第16期決勝時の、#18昭和三景(朝野十字)への投票です(4票)。
登場人物がそれぞれ感情を波立たせても、
物語そのものは淡々としているので、とても印象に残ります。
それにしても「かせいじん」というと、オーソン・ウェルズが
真っ先に頭の中で浮かびました。意図されてなかったらすみません。
参照用リンク: #date20031222-120724
かせいじんもなんだかわからないし、「日本七人の原爆子供たちです」という日本語としてギリギリの表現も、特別その後どうなるわけでもなく、放置されたまま。悲しそうな顔をしたり、ぽろぽろと涙をこぼしたり、反吐を吐いたりしても、なにも解決しない。起きた出来事、セリフ、人物、書かれた文章をつぎつぎと投げ捨てていく。振り返ることに意味がないので、物語は進むしかない。というか、進むことしかできないので、振り返ることなどできない。物語が進むこと、つまり読むことに自由が無くて、非常に窮屈で、しかし、すばずばと投げ捨てられる快楽に捕らえられて、読み進まないわけにはいかない。それを「昭和」という。ああ、そうだな。と、僕は思う。「昭和」とはそういう時代だったかも知れない。作者の意図がどうあれ、これは素晴らしい作品だ。
参照用リンク: #date20031221-004756
「白昼夢」どうしても詩としてしか読めない。しかも良質の。物語性を感じきれないので、今回は推せません。南さん、ごめんなさい。
物語りということを基準に置いて「カタカタ」「昭和三景」「竹井さんの傘」の中から、一番おもしろいと思った「昭和三景」に投票します。
参照用リンク: #date20031216-180327