第16期決勝時の、#10頼むよ サンタ(真央りりこ)への投票です(3票)。
気になる作品は、「カアル」「昭和三景」「頼むよ サンタ」の三作。
「カアル」は、最後のカラスの言葉で『人間』という言葉を使っているのが、どうも、ぴんと来ない。それと『キーボード』も合わせて、格好の良い訳ではないと思った。
「昭和三景」は気にいってるが、できれば子供で統一して欲しかった。最後の父母兄のエピソードはいらない。読みながら感じていた不気味さが、ここで全て打ち消しになり、復活もしなかった。
「頼むよ サンタ」は、『エントツから僕を救い出してくれるんだ。』の部分がおよそ子供らしくないわけで、しかし「カアル」「昭和三景」の上にあげた点よりも違和感がないのは何故だろう? 「頼むよ サンタ」というませたタイトルと、出だしの部分が、伏線のような役割でもしてるんだろうか。読みの流れを阻害するものもなく、ピュアが「気持ち悪い」と感じる作品が予選通過作にあったが、「頼むよ サンタ」はそのような嫌悪感もなく、ちょっとあっさりすぎるかな、とも思うが、投票するならこの作品、と思う。
参照用リンク: #date20031221-143145
物語自体は、クリスマスというとすぐに思いつくような設定であるのだが、この短い字数の中でとにかく登場人物がいきいきと「動いて」いることに目を奪われた。さりげなく光る言葉や表現も、物語の「空気」をうまく創りだしている。特異な設定で読み手を引き込むのもひとつの技だが、ありふれた物語をいきいきと描き出すことのほうが数倍難しいのではないだろうか。
参照用リンク: #date20031220-233413
いいですね。こういう独特の世界が原稿用紙3枚弱で収まっているのを見かけると幸せな気分になります。今出ている短編の中では一番「動機」がはっきりとしている作品に思えます。何で1000の文字がここにあるのか。おごらずへりくだらず技におぼれず、明るく悲しく。ありきたりのよくできた短編には「ファン」がつきにくいのですが、やはり最後はこの作品の様な独自の世界ですね。ありがとうございました。
参照用リンク: #date20031209-105711