第15期決勝時の、#29スクリーマーズ(るるるぶ☆どっぐちゃん)への投票です(3票)。
「大瑕瑾」は大変面白かったのですが、「短編」を見ず知らずの読者に薦めるには向かないと考え、選択肢からは外しました。「総菜屋の猫」も好きな作品なのですが、今ひとつ地味という気がしました。インパクトも十分あり、予選でも投票した「スクリーマーズ」を推します。
参照用リンク: #date20031122-204720
これしかないようです。
『大瑕瑾』は、ネタの運用といったらほとんど出オチ(しかもダジャレ)なんだが、それをナンセンスなエスカレートで最後までひっぱる力はすばらしいと思う。しかし、瑕瑾さんという人間を題材に取って、出オチでしかないとはもったいない。まあ、なんだか知らないが猛威をふるってるかんじ、で充分と言えば充分なのかもしれないが。
『総菜屋の猫』は、いかにもイカニモなイイ話なんだが、最後がキザだった。なぜキザに感じたのか考えてみると、話者はこの商店街に対してそれほどクールではないからだろう。勝手な推測(=個人的意見の表明)が目につき、関心の高さを示している。とくに店の主人に皮肉を言っている。皮肉を言うからには、この人物個人をごく一時的にせよ研究し、ある明確な感慨をいだいたということであり、話のしめくくりに彼の存在を「大勢」のひとりとして無視するのは無理があり、意識的な無視、すなわち気取り、ゆえにキザであると感じられてならない。
これらにひきかえ『スクリーマーズ』はネタの運用がまんべんなく、定規やアイスといった象徴的なガジェットがそつなく物語に消化され、キャラクターも文章も無理なく自然体であり描写には一定のシャレたトーンがあり、大胆な話の転換さえも違和感なく……と、とにかく完成度の点からしても文句なし。これしかないようです。
参照用リンク: #date20031122-083107
悩みに悩んで、唯一予選で投票しなかったこの作品を選びます。途中の、ぱちんぱちんと叩くところはあまり好きではないのですが、美しい冒頭に一票。言葉選びのセンスを感じます。
『大瑕瑾』は非常に面白かったのですが、何度も読むとさすがに面白みが無くなってくる。作品の性質上しかたないことではありますが。
『総菜屋の猫』も予選では投票しましたが、読み返してみるとどうも地味さばかりが目に付きました。
うーん、しかし、どれに投票してもおかしくなかった。
参照用リンク: #date20031122-013516