第142期決勝時の、#11嘘(戦場ガ原蛇足ノ助)への投票です(2票)。
昨日、夕食は要らない、と妻に言っておいたが、予定より早く帰宅できることになった。妻に電話したらもう一人で夕食を済ませたようで、また作らせるのも申し訳なかったので、帰り道にある弁当屋によることにした。夏だし、ウナギでも食おうとおもった。
弁当屋の店内は、調理場からの熱気と総菜を冷やす冷気が嫌に混じって温かった。年齢の割に胸の筋肉が厚い、ユダヤ人みたいな髭を生やした老人が弁当の受け取り待ちなようだった。
そして、この小説を思い出した。あ、この時間の、この弁当屋は、エロい弁当屋なんだって。結局、弁当を受け取るのに20分焦らされたし、その間空腹で胃がきりきりしていた。でも、不思議と苛立たなかった。このエロい弁当屋でのひとときを堪能しようと自然に思えた。
この小説を読んでいなかったら、20分間、ただイライラしていただけだったお思う。また、小説という虚構が、自分の現実を侵食するという体験も出来た。感謝して、この小説に一票。
参照用リンク: #date20140808-131047