第14期決勝時の、#19街(曠野反次郎)への投票です(3票)。
街 まあ普通にこれだろう。ただし私が普通にこれだろうと思った作品が過去優勝したことはほとんどない。
参照用リンク: #date20031021-194811
1「街」 『クセ』や『悪ガキ』といった妙なカタカナ使いに引っかかった。コップの中の嵐、の世界は鮮やか。最後の一文は「どっとはらい」だ、という評を予選の時に読んでなるほどと思ったが、夢オチと同じ危険もある。
3「死なずの鳥」 文章表現が内容に比べ見劣りする。
5「鴉の駅長」 緻密ということの他に、私の心に響くものがなかった。こうした作品は「うまいですね」と言われ続けるかもしれない。うまい、と感動、の差分は、『目標は、オセマラテ草の北限を調べることにある。これでも私は、植物学者ということになっている。』この二文を考え直して話に絡ませれば得られるのかもしれない。このままではあまりに、もっともらしさを思いつきで埋めただけの二文のよう。
2「無限ループの愛に」 作者がどんな作品から影響を受けてきたのかまるわかりの作品だし、厳密には二次創作なので規定外だろう。
『赤い50ccバイクに二人乗りして、国道を飛ばした。
道半ばのところで、やっぱり赤い50ccのバイクとすれ違った。
そこでは、もうひとりの僕が運転をしていて白ヤギを後ろに乗せていた。』この鮮やかさと、ヤギは目をつぶっていたという小技と、せりふがだいたい(前半はマンガだったが)よかった。
もう一匹のヤギにもう一人の僕がついていることがポイント。
4「アルジェリア」 緻密な描写ということのほかに響くものがなかった。その緻密な寒さや風の描写が、リアルさを与えるということのほかに、テーマに絡めば読んでいて満足すると思うが、今のままだとめんどうくさいこみいった描写を、慣用句を取り混ぜて新鮮味もなく読まされた印象。
参照用リンク: #date20031020-135937
予選通過作品を読み返してみたものの、結論はやはり変わらず。
悪ガキに潰されてしまったけれど、そこに『街』が確かにあったのだ。
参照用リンク: #date20031017-000319