第131期決勝時の、#2紙芝居(アンタ)への投票です(2票)。
張った伏線をきっちり回収する話も好きですが、こういう、緩やかに曖昧に、作中の虚構と現実の境界がわからなくなる感じで全部を回収して行くのもまた面白いものですね。
気になる点もいくつかあったけれど、今回の決勝作品ではこれが一番好きです。
参照用リンク: #date20130908-213648
#9 海と少女と
男性の「心で見ている広い世界」をひたすら描いたら面白そうだな、と思った。
#12 さる
理解できないものの不気味さ。言葉の怖さ。先輩についての語りがそのまま、この小説の印象になっている。
最後の一文に強く共感し、また読み返すたびに違う箇所にはっとさせられる。それなのに近づきがたい。何かが(というかもしかすると全部が)歪んでいるし捻じれている。
#2 紙芝居
予選では夢を見る少年の話がすっかり抜け落ちていた。こうしっかり伏線が使われているのも最近では珍しい。軽い語り口と、伏線から覗く心情のギャップが見事。
何よりも滲み出るやさしさがいい。やさしさって実は稀有で、技術では書けないんじゃないかと思っている。
参照用リンク: #date20130905-234400