第13期決勝時の、#27月下無明(野郎海松)への投票です(6票)。
今期どれが優勝してもおかしくはないなあと眺めていたのですが、『後ろ』は平坦に始まり平坦に終わる印象があり、『司書の仕事』は前半が重く中盤でかなり変化する分、私がついていけないので、これを選びます。というかもう、月の下で永遠を語る場面が、ただ単純に好きです。
参照用リンク: #date20030922-210514
肩がこらずにあるリズムに乗って軽快に読めました。そうはいっても、軽く書き流しているとはいえず、作者の苦心を見せないところが力量なのでしょう。最後の一行は、ちょっとサービスのし過ぎという気がしました。
参照用リンク: #date20030922-200902
『司書の仕事』も『後ろ』もしっかり読める作品だったので、好みの問題になってしまいます。色々な批判があることを覚悟して再度書くと、『月下無明』では架空の物語世界を構築しようとする試みがかなり高いレベルで成功していると思います。
『司書の仕事』と『後ろ』では個々人が持つ図書館や仙人のイメージに若干依存しているような気がします。決してそれが悪いわけではないですが。でも結局、今回の私的投票基準は『物語世界をいかに構築しているか』としてしまったので。(あ)
参照用リンク: #date20030922-021319
誤解されているようだが、私は十三期参加作品のすべてを一まとめにして、つまらない、なぞと言った覚えはない。予選で残った三つはいずれも力のある作品と思っていた。どれが優勝しても異存はない。
『後ろ』は、中国六朝の志怪小説にもありそうな話。古雅な設定に近代的な心理をつき混ぜているところは、芥川龍之介を思わせる。背後が気になる云々というのは強迫的な神経衰弱であり、田舎言葉がそぐわないというのも判らないではないが、私はさほど気にならなかった。それより私は少年ジャンプで連載されていた『封神演技』を愛読し講談社文庫の三巻本の訳も買って読んだくらいなので、「五蝸山」というだけで何だか嬉しくなるのでもある。
『司書の仕事』は、私には判りにくいが、夢に形を与えたような作品というべきか。せっかく「歴史」を記しているのに、古い記述を一つ削るというのは無茶なことである。だから消した瞬間に禍々しい事が次々と起こる。この図書館というのは、個人(あるいは集団)の記憶の比喩でもあるか。そんな事を考えたりした。
『月下無明』。作者のこれまでの作品では最もよいと思う。予選で残ったのも順当であると言える。作者の『短編』に発表してきた仕事で一貫して追い求めてきたもの、私は勝手に「クール」あるいは「カッコよさ」と表現するのだが、そういう雰囲気が明晰に美しく結晶した。今までの積み重ねを含めて、報いられるべき作品であると思う。(海坂)
参照用リンク: #date20030921-142842
仙人話好きだし、月好きだしね。
だから「後ろ」と「月下無明」と、すっごく迷った。迷った末に「月」に1票。
「後ろ」は、他にも指摘していた人がいたけど、やはり男の方言が気になったんだ。
「月下無明」は、クールな終わり方が特に気に入ったよ。
参照用リンク: #date20030917-230129