投票参照

第13期決勝時の、#23司書の仕事(林徳鎬)への投票です(9票)。

2003年9月22日 23時4分58秒

なんか最近林さんがるるさん化してきたと思うのは私だけでしょうか?
なんというか、まあ基本的に意味不明なんだけど(失礼な)、妙な迫力というか魅力があってついつい読まされてしまうわけです。前回は追うものと追われるもの、鍵と鍵穴という対比に加え効果音の出し入れが見事だったけど、今回は

<振り返ると時計の針が折れている
<胸のあたりが膨らんでいるので、どうしたことかと服の下を探ってみた指先は、ハート型のなにかをなぞる。ハート型のおそらくハートそのものであるものは、いまにもぼとっと落ちてしまいそうである。

の辺りに魅了されました。(赤珠)

参照用リンク: #date20030922-230458

2003年9月21日 23時38分21秒

文章と世界観が魅力的だった。他の二作は、どことなく情緒に欠けるところがあった。話自体ではなく、かもしだす雰囲気の魅力が、この作品にはあった。

参照用リンク: #date20030921-233821

2003年9月21日 15時30分26秒

 「司書の仕事」はたいへんに良かったが、「月下無明」「後ろ」は集中して読めなかった。「月下無明」はラスト一行、「後ろ」は『髪がみるみる色を失っていく。』『目元は恐怖に歪んでいた。』『二度と「裏返りの術」は試さなかった。』の部分で、少々うんざりした。
 「後ろ」の「髪の色を失う」というのは恐怖表現としてはありふれたものであるが、この話は仙人が出てくるので使わないほうが良い。仙人は時間を超越している存在なので、後ろを見た(死亡した)瞬間に男の時間が戻り髪が白くなった、浦島太郎やヨーロッパの墓守の話など亜空間に迷い込んだ者が実世界に戻り急激に老いて死ぬ話を連想する。恐怖を主人公ではなく聞き手読み手に与える表現(たとえば「目をカッと見開いていた」等)に徹したならばおもしろかったと思う。万が一「老い」も要素の一つならば、ラストの『二度と「裏返りの術」は試さなかった。』は完全に要らない。というか、これ要らない。「月下無明」もラスト要らない。どうしても使いたいなら足りないものがある。
 過不足もなく面白かったのは、今回「司書の仕事」だけだった。

参照用リンク: #date20030921-153026

2003年9月20日 20時19分1秒

世界中のあらゆる書物が収められた図書館と、その歴史を記した本。
驚くべき非現実と遭遇しながらも、冷静に”仕事”をする司書。
最も不要に見えながら、しかし最も重要なその項目。
静かに胸に迫るこの作品を推します。

参照用リンク: #date20030920-201901

2003年9月19日 20時19分54秒

今の世相にマッチした、そこそこポジティブなメッセージを発しているようでもあり、自分の気分とも合ったので、一票。読んでいて映像が喚起され、字面を追うだけでは済まさせない、確かな技術があるように感じられる。

参照用リンク: #date20030919-201954

2003年9月16日 0時18分14秒

今回は予選で推した作品がことごとく落ち、難しい決勝だった。正直どれも推したくない。どれも予選で自分なりに理由をつけて切った作品だから、その中から考えるとなるとキツイ。しかしあえて票を入れるなら、コレかなあという気がする。うーん。あえていうなら「世界」をキッチリと説明しきっていた、っていう点かな。優勢勝ち。

参照用リンク: #date20030916-001814

2003年9月9日 21時16分40秒

やはり残りましたか。これはいい作品でした。
単に司書の仕事というものを書いているだけなのに、この存在感。
不思議な感じが何ともいえず、心地良かったです。
林さんのこの後の作品にも期待しながらの一票。

参照用リンク: #date20030909-211640

2003年9月9日 18時9分33秒

今期は「面白くない」という海坂野郎(海坂さんと野郎さん、ではなく海坂のオッサン、の意)の意見がクローズアップされてしまったがこうして予選通過作をみればどうして結構レベルが高いでわないか。ってかなんか『短編』的魅力、結構この長さに見合った身の丈というかそういう感じの作品が出てきているのではないか?という意味で単にレベル高いだけでなく何か典拠じみた感じがものがおぼろげにする作品が決勝に残った。細かいところでは「午前零時の閉館」「図書館の歴史について書かれたものだ」「暮れの作業では、この中から削除するべき項目を選ぶ」「図書館の歴史にはかなりの偏りがあった」「振り返ると時計の針が折れている」とどっから来たのかわからない異様なルールや正否真偽善悪のあいまいさなど。崩れ落ちそうな世界がぎりぎりのところで成立している面白さがある。なるほど、この作品結構ダイナミックなんだ。読みようによって微妙にユレが生じる。意味が一貫してないような。「月下」「後ろ」はそういう意味で比較的安定している。本来的にはそれはまあ美点であるはずなんだが………

「司書の仕事」。今回なんか変な議論に気を取られてしまっていたがまあ見ている人はちゃんと見ているのだなあと。この得票数は妥当だろう。それはそうと全体としては確かに今イチというべき投稿作品も多かったので、矢張り予選(感想)の重要性は今後増していくなあと痛感させられる。単に作品を集める機能だけでなくはたまたイチ押し作品(優勝作)を提示する機能だけでもなく、まあ、なんというか各期の投稿作から水準作を提示できることでこの企画というかなんだ専門用語でキラーコンテンツというのか?選球眼というのは結構重要な機能だろう。そういう意味では今イチの作品の投稿もむしろ歓迎。まあ「書こう」という気のある人なら「自作か、然らずんば、著名な名作か」のトンでもない差でなくこういう投稿作なかんずく「予選通過作+次点作レベル」と「自作」の差異を読むことでジワジワと書き能力も上がってくるのでわないか。「月下無明」。ここはしかし決勝の投票をせねばならぬ。久遠さんも納得してくれるだろう。「後ろ」面白いがしかし気になる点はやはりどうしても陳腐ともいうべき方言。伝統的な書法に則れば「xxは△△の人。字を○○という」なんて感じの始まりとすべきでこりゃのぼりんさんじゃあないが「伝統」(形式)というのはあなどれない力を持っており素直に乗ればよかったんじゃあないかと。則らないならないでなんかそれをパロれるような感じでも。まったくのズブではこういう作品は魅力に乏しい。面白い固有名詞などを創案するのも手で(これを野郎さんはやっている)。「短編」では借景というか既存文学の作品世界(財産)を利用するのは結構重要なワザと思う。で、「月下無明」であるが。その前に。というわけで今回どうも20人で投票45票とかでなんか3票使い切っていない人が多いようだがなんせまあこのサイトのサービスの享受者(作品投稿者/投票者/読者)は同時にこのサイトの作者というか盛り立て者というかスタッフでもあるわけで「自分のため」だけでなくまた「優勝作を決めるため」だけでもなく未来の読者のガイドのためにもなるべく(涙を呑んで、でも)3作挙げてほしいなあ。感想で「今イチだけどまあ上から3つというならあえてこれも」と但し書き付きでもいいと思う。「どうなおせば」なんて勝手な講釈付きでもいいと思う。で、「月下無名」だけどああ平易な文で書いても幕かに日本語かつ我々の今話している現代語で登場人物達が話してるわけではないことは感得できる。シュチュエーションの力でなんと「中国語感/方言感/老人語感/声の擦れ具合感」までまあ出せているのである。ここは減点法でなく加点法で考えて「月下無明」を勝ちとする。で、「司書の仕事」であるがこれはまだ面白くなるような気がする。後半、詩を書く辺りなんか胸のハート型とかの辺りはちょっとヨレヨレとなった感じがある。この作品、しかし魅力は十分。なんかのSFでこういうのがあった。「宇宙の真中の星になんか数字が書いてある。それは光の速度。炭素の質量。と、あとなんか忘れたけど。で、要はそれはこの宇宙の主要パラメーターの設定盤でその数字を書き換えるとなんか宇宙がゴロっと変ってしまう」というそういうSF。この司書の図書館、そういったなんかこの世の秘密の場所の秘密の図書館な感じがして面白い。唯一のものってか。神様の居場所ってか。そういう面白さが存分にあるので余り細部というか理クツというか話・エピソードの整合性に拘らなくてもよかったと思う。もっと「図書館に舞う塵」「石床の寒々した感じ」「差す光(夜か?じゃあ蝋燭の光でもいいし、超越的に「昼間の光が残した香り」なんてk得ないものでもよかった)」なのど雰囲気を盛り上げてもよかったと思う。で、なんか字数に余裕があればこの主人公の人物像ももう少し明確に。なんか「小さい頃から選ばれて半幽閉」みたいな感じとか(いや勝手に薔薇の名前っぽく、ってことだけど)。なんかこう。惜しい。もう少し遊べるというかリアリティー(リアルじゃないよ)を出せたし出したかった。でも。でもである。完成度では断然「月下無明」が上なんだけど、ネタ的にはまあ互角なんだけど、この、「司書の仕事」の書き切って無さが妙に気になるのでここは「司書」。この作者さんにはここで優勝して頂いて「短編優勝」のこのまあ小さいってば小さいがその責任感で、今後、「書き切る」という困難に立ち向かって欲しい。この作品まだ書けるしまだ良くなる。というわけでここは久遠さんに涙を呑んでもらってもまあそれ程怒りはしないだろう。まあ端的に言って好き嫌いでは「後ろ」なんだがなんか「司書」の書き手の可能性がなんか良く覗える作品であった。むしろ「月下」には申し訳ない。極めていいんだけど余りにも泰然とした「ウェイ・イー」が「まあ優勝は譲ってやりなよ」と言っているようでしょうないのである。しかしこれはいい作品なんで次回の年間ランクでk度検討したい。いや結局のところ作品の魅力と言うのは必ずしも合理的に説明しきれるもんではないのだなあ。「見切れないところ」が残っている「司書」の魅力。

参照用リンク: #date20030909-180933

2003年9月9日 5時4分9秒

 ドキドキした。
 読んで直後、いくつかの謎に気づいた。でもそれが心地よかった。理解できないことが現実を見せた。私の読書範囲が狭いからか、こういう「不完全ゆえの完全性(巧く言えないけど)」みたいなものを詩以外の短かい作品で感じたことはなかった。これはひょっとして文章の姿をした詩なのだろうか。いやはや..
 こう考えているだけでも楽しい。あっぱれなのだ。

参照用リンク: #date20030909-050409


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