第12期予選時の、#17アスファルト(逢澤透明)への投票です(4票)。
詩と散文を混ぜ合わせる手法は、思えば平安時代の女流日記とか、江戸時代の俳文を思い出す。この作品も、テクストに別のリズムが交錯することによって、限られた字数の中で多声的な効果を出している。
病気を苦に心中する男女という題材は劇的だが、1000字という制限があるだけに文章だけではどうしても概略しか書けず、またこの詩だけでは観念的に陥る恐れもあったろうが、二つが合わさることによって、強い説得力を持つに至ったと思う。(海坂)
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氏の作品で久しぶり自分ヒット。メロドラマと言ってしまえばそれまでだが、しかし何と切ないのか。アスファルトという題材自体かなり奥行き深くてよい。また、随所に散りばめられた彼女の詩が、話のテンポをすっきりしゃっきりさせている。
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