投票参照

第113期決勝時の、#13夜、石を投げる(よこねな)への投票です(2票)。

2012年3月8日 2時12分0秒

『夜、石を投げる』よこねな
興味をそそる音と、それを聞くために黙ったままの人々、冬の冷えた空気感が好みだった。冬が好きで、もうすぐ終わってしまうなと寂しく思っていたときにこの作品を読むことができて嬉しかった。
「何だか知らないが〜絶好の晩だ」は読むたびににやりとする。

『ミズナラメウロコタマフシ』霧野楢人
回想の盛り上がり方はよかったのに、終盤が曖昧になってしまっているように感じた。この流れで行けば、妻が身篭ったのが誰の子かわからないことよりも、それを確かめるために妻の腹を裂き子どもを殺しかねない自分が恐ろしいのではないか。

『或犬の一生』伊吹羊迷
正直、予選時にはあまり印象に残っていなかった。読み返してみて、弟とのエピソードと「鳥になることを考えたり〜」のくだりがいいなと思った。
ただ、これは好みの問題かもしれないが、その後の「悪くない」「いいじゃないか、もう一度くらい」で感じる妙な説教臭さ、道徳臭さが鼻について仕方がなかった。

参照用リンク: #date20120308-021200

2012年3月1日 22時55分16秒

 日常の陰にありそうな非日常にドキリとした。注目されるべきは、やはり石が氷の上をはねるシーンだろう。本当にそんな音が鳴るのか気になり、今から外に出て小さな池でも探したいような気分に駆られる。実際気になりすぎて、嘘だったらむしろちょっと安心するであろう域に達している私である。
 なんてことを考えていたら、「メールを寄越した男」についての記述があって現実に引き戻されるわけで、これも「男はいなかった」とのことで不可解なのだが、現実的な不可解さに思いをはせるうちに非現実の余韻が浮かんできたため、やっぱり好印象だった。(予選票のコメントを一部修正)まぁ個人的にですがね。

そのほかの作品↓
「或犬の一生」
 叙述が安定し、整っていて、読みやすい。かつ、「理屈」でなく「印象」で読ませる、という作者の能力を評価したい。ただ、「票を投じたい」と思わせる圧力を感じなかったため、今回は見送りたい。(正直、予選時から今に至ってもなお、この判断には迷いがあるのだが。)

「ミズナラメウロコタマフシ」
とりあえず「中学校へ向かう通学路の途中で見つけたそれを、僕ははじめ、これは実か、花の名残か、あるいは花の冬芽なのかな、と首をかしげながら思いを巡らした。」という文の不自然さはイケナイと思いました。

参照用リンク: #date20120301-225516


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