第11期予選時の、#26孵化(るるるぶ☆どっぐちゃん)への投票です(4票)。
「7 公立キッズ 瑕瑾さん」とどちらにしようか迷った結果、こちらにしたが、「公立キッズ」の全体をおおうパワフルな生き様も捨てがたく、苦渋の選択。
タイトルにエリック・フランク・ラッセルばりの言語的遊び心があり、楽しい。フレドリック・ブラウンのショートショートにもこういう遊びはあるけれど、日本語ではまず見ない。あってもベタな駄洒落になっているような気がする。
あ、町田康あたりにありそうだけど、それは別格ってことで。
「孵化」は言葉遊びに終わらず、都知事と少年の未来をも内包する。
奇天烈なイベントを組んだ都知事は孵化して宇宙に飛び出し、少年は孵化して青年になる。
「太陽」でイベントを行い、「火星」に飛び立っていった男、「君は頭の良い子だね」「これからも頑張りたまえ」と言った都知事を、少年から孵化した青年は覚えているのだろうか。
コンクールを取り、励まされた少年が、主催し、励ました者を忘れたかのように「星が見えないな」と呟く皮肉さ。
主催者は去り、作品も忘れ去られ、少年も変わった世界で、何の役にも立たない大穴が名所になっている皮肉さ。
クールです。
参照用リンク: #date20030708-223425
もう全然わからないです。でも、今まででこの人に投票した中では、一番切れてると思いました。やばいくらい好み。
以下メモ。
『来』『虹の彼方に』
ラスト一行がとても好き。突き放した。「投げやり」。
『宇宙からの警告』『タイムマシン』
オチ物はやや苦手にしているんですが。今期じゃなければ。
『波紋』『壊れた子どもたち』
「なんなんだこれは?」という作品。すごくツボなんですが。
参照用リンク: #date20030706-220921
この人の感想書くのいやだ。毎回裏切られる。なんでこう毎回別アイデア思いつくのだ。感想がすぐ陳腐で的外れになるので書きたくない。でも書く。これまあ孵化=鱶=フカなんだがだからって何の意味もない。この人アホじゃあないのかとさえ思う。もちろん都知事石原もぜんぜん何の意味もない。この人にアホを戯画化しようなんて底意はない。自分がアホなんやから。
じゃあこの小説なんなんやというと【少年は凄いとか凄くないでは無く、鱶の目は何故あんなに曇っているのに、星のように輝いて見えるのだろう。死んだおばあちゃんもそうだった。死者達の目のあの不思議な色合いは何なのだろう、と思ったのだが】という一文であり【面に空いた穴はそのままになっていた。暗く底の見通せないあの大穴】。火星へ向かった都知事と地上から見当違いの方向に星を探す少年といまも地面にめりこみ続けているフカとの交錯である。だから何なのだろう。’面白い’の実存主義である。面白いとはつまり結果なのだ。理由はない。
参照用リンク: #date20030702-185154