第11期予選時の、#16アンダーテイカー(野郎海松)への投票です(3票)。
今回応募されている他作品と比べようがない独自性がある。
ハードボイルドな語り口のクールさも、他の作品にはない。
口語の布告文が、統制政府は大統領独裁であることをイメージさせる、出だしの格好良さ。
難を言えば、「オクタゴン」メンバーにアジア・アフリカ系がいないことくらいか。
表では大統領が支配している世界は、反逆児のような裏の「オクタゴン」メンバーの手の上にある、という設定は「007」的で下手をすると陳腐になったかもしれない。
「統制政府」側ではなく「オクタゴン」側から見た世界が描かれているせいか、陳腐さは感じなかった。
会話の端々から、メンバーが世界を救う反逆者ではない様子がうかがえる。
作者得意のピカレスクロマンであり、キャラクタたちは世界を皮肉り、自らを神と豪語する。
その気楽な会話の合間に描かれる情景も、殺伐さを増している。
「さあ、気ちがいに(フレドリック・ブラウン)」の支配する側から見た世界、という感じの視点も面白かった。
参照用リンク: #date20030708-223425
『ジョジョの奇妙な冒険』のような世界観。最初はそんなに惹かれなかったのだけれども、読み返すうちに、投票したくなった。千字向きとは思えない(中・長編に改稿して欲しい)けど、長くするとダレるのかもしれない。難しいところ。
参照用リンク: #date20030708-202938
やや好みで選んでの1票。個人的に「バランディオ」(第7期)が大変気に入っているので、それに通じる作品に再び出会えたことは僥倖でした。ワルい奴らのカッコよさ、ただそれだけのentertainmentといのも1000字小説のひとつの方向性としてアリだと思えた作品です。
参照用リンク: #date20030707-034758