第101期決勝時の、#19鳴ル女(志保龍彦)への投票です(3票)。
いろいろ悩んだ末に。
先の方の感想でも出ているように、括弧の使い方など気になる部分もありますが、通して読んで物語としてまとまっていると感じたので。
『魔法を使う女たち』は正直こちらにも票を入れたいくらい楽しく読んだのですが、どうしてもラストで引っ掛かってしまいました。「理解を超えている」ことから「魔法」に繋がっていると思うのですが、その間の「不思議と頭が〜」も「魔法」に繋げて読めてしまうため、最後の一文の印象が曖昧になっているように感じました。
『重豚』は、発想は面白かったのですが話としての面白さが私には分かりませんでした。最後の台詞がオチであるなら、「重豚」というネーミングがすでにネタバレだと思います。普通に「瘡蓋」「かさぶた」でもいいのでは。
参照用リンク: #date20110308-204801
「魔法を使う女たち」
筆力のある方だと思いますが、内容がよく理解できなかったですね。
「重豚」
「特別な樹脂が開発された。「重豚」という樹脂で、傷付くと傷口を被うように膨れ上がり再生する性質を持っていた。その性質が買われて自動車やバイク、船のボディに使われるようになった。」
発想に面白みがあり、最後の台詞が効いていましたが、あと、一工夫あれば、多分、唸っていたかもしれないですね。
「鳴ル女」
タイトルが良い。シュールな世界が描かれているように思えた。ただ、古臭い感覚があるのは拭えない。いや、文学臭といえばよいのであろうか。筆力があり、描かれている世界に密度はあったが、内容的に惹かれるところはあまりない。そして陳腐な小道具を使っていて、少々、辟易させられるところもあった。つまり、斬新さがなかったということである。それでも、三作品の中では、一番惹かれる作品であった。
参照用リンク: #date20110308-095526
読み始めて最後まで結末が想像つかなかった。
そして、最後でびっくりしつつ納得した。こういう話が大好きだ。
今回の3つの話の中で一番いいと思う。というか、他に選択肢がないというぐらい、飛びぬけていいと思う。
参照用リンク: #date20110301-225634