第10期予選時の、#24ファミリーレストランで((あ))への投票です(5票)。
ありふれた日常に非日常がさらりと入りこんでくる。かといってドラマチックというほどでもない、ほどよいシュール感がよい。プロローグのようであるが、これから始まるであろう物語を、あくまで余韻として読者の想像にゆだねることができるのも、さほどドラマチックでないがゆえだ。大きな満足はなくとも読者に不満を与えない好作。
参照用リンク: #date20030607-231554
「Boys be...」系な話にも思えるけど、青春って、いいなぁ、と。
初っぱなの「来ている」「している」「している」の3連発、「(水はセルフでおかわり自由である)」という説明調など気にならない点がないわけじゃないんだけど、いいじゃん、試験前で焦っているし、胸の大きい子だし、ということで、文章がキャラクタの意識の流れに合っている。
ありそうだが、まずなさそうというバランスが絶妙。
「僕」の絶対に落とせない試験前の憂鬱さが、ぶっ飛んでしまう様子が微笑ましかった。
<久遠>
参照用リンク: #date20030607-144620
個人的には、「短編」における楽しみのひとつが、この作者の作品を読むことだといえるほどになっている。拙作と広い意味でカブっていて、しかも「負けた」と思った。拙作との比較で、拙作は「ただ面白いだけ」であり「ファミリーレストランで」はただ面白いだけではない、という感想を見かけたが、そのとおりだと思う。他の作者との比較で「負けた」と思ったのは初めてかもしれない(いつもは自作と比較することすら思いつかない)。 文章をバラしての分析とかをする気が起こらない。ただただ「雰囲気がいい」というかんじ。日常のテンポで非日常をわずかに滑り込ませている。という形でありながら、よくよく考えてみると完全に非日常だというユニークさかな。
参照用リンク: #date20030607-062206
食べ物屋で働く佳人を好ましく想って、その顔見たさに毎日のように通い、ひとつ交遊を発展させてみようというような事は、昔の、街の食堂や喫茶店ではよくあったように思うが、今日び応対が悉く型に嵌められてしまった全国展開の店では、そんな風情はじつに難しい。このごろ私にも街のカフェにそういう存在が居るので、つくづくそう思う。
それだけに、真夜中という時間帯も相まって、夢のような情緒が心にしみた。(海坂)
参照用リンク: #date20030606-195104
ありえないけど非現実的だけど非常識だけど、そこが面白かった。最後が妙にリアリティのある終わり方になっているけど、状況を冷静に見渡す視線が面白さの元になっているようなので、私的に良しとしました。
参照用リンク: #date20030529-135843