数学と生活
数学の話が読ませる牽引力になっているけれど、
物足りない印象だった。
ただ1000字で衒学やると字数かさんで足枷に
なるかと思う。
孤独と向き合う手法についてはありふれていて
かついろんな解決策が講じられているので、
それをいかにドラマとして読者に提供するかと
いう問題になってくるかと思う。
ぼくも前月「キメラ」でやってみたけど、
1000字だとその解決策にたどりつく助走距離が
作れなかった。
コーヒーと食べ物が好きですよね。
無色
こういう話がなんとなく気になるのは、
ぼくの頭の中と似ているからだろうか。
だいたい、小説をネットに投稿してみようという
時点で似通ってくると思うのだけれど。
北村さんお疲れさまです。
ただ無色と言うには一面白で、白は無色じゃないと思う。
あと紅のカーテンは無いと思った。
なんだか訳の分からない世界に、
周囲からの圧迫だけが残る文章でした。
木蓮を踏む
良いなあ。
ともだちにとても似ている文章を書く人がいて、
その人かと思った。
俺の私見なんだけど、女の子っぽい文章で、
名詞コレクターみたいな感じ。
ビルディングとか演繹とか帰納とかムーミン谷とか、
その言葉を使いたいために書いているような印象すら。
ただ劇の盛り上げ方に不満がある。
最後、木蓮を踏んだことに関して、斜読みしたときに
気付きにくい。斜め読みしてても気付くくらい
印象的な構成っていうのに挑んでみても良いかと思う。
的外れなこと言っていたらすみません。
そして私は月光の道をたどり、この場所へ帰ってきた
1000字を書く素養は詩とテレビアニメで培われると
思っています。
詩は言語の魅力を発揮しているし、そして今月の三浦さんの
文体、ちょっと長篇でこれをやられたら読めないよなという
リズムの文体も、1000字でならできる。
テレビアニメの30分という枠は短く話しをまとめるという
訓練になるかと思う。
さいご、踊らせてしまうのは絵本みたいで、ちょっと
逃げているように思った。
頃合
これはきららの佳作です。
台詞以外の文、地の文は、台詞と対比(こんとらすと)を
つめるために意図的に混乱を招くように複雑にしました。
やりすぎてしまったようですが。
コントラストとは、たとえば黒い背景に白い円を描くと
目立つといったように、目立たせたいものを目立たせるために
する技です。
地の文の読みにくさで読者にストレスを与えて、
台詞の簡潔さで読者に開放感をあたえる処置でした。
テーマは頃合です。
親密な二人だけれども、その間にある、時間、空間的な
距離感、他人の心には永遠に共感できないという人間的な
すれ違いを自分が感じたので、したためてみました。
ただそれだけではあまり面白くないので、
うだつのあがらなさそうな、平凡な若いサラリーマンの
くだらない会話という形を与えてみました。
「私から出て私を滅する」文章というのは、さいきんわりと
言われることです。
私小説がちやほやされすぎた反動かと思いますが、
私が苦労したから同情してくれという文章は、
がんばっている人には不必要かと思われますので。
2006年9月に書いたものです。
沼蝦
川野さんの魅力は知識。
ヤマトヌマエビと月に関する知識と、その関係の知識は面白い。
今月の「数学と生活」のようにそれだけで読みすすめられる。
のだけど、川野さんの旧作と代わり映えが無いとも感じる。
これは意地悪で言うのだけれど、この局部に神経質になる
感性は、携帯小説で恋愛レイプ堕胎に過敏になる感性と、
変わらないのではと思う。
もっと大風呂敷広げていいんではないのかと思う。
偽装☆少女 千字一字物語19
いいよ黒田さんいいよ。
でも長月さんからのつっこみが入らないくらいに
描写の勉強してくれと思います。
ただこの穴のあるところが魅力なのかもしれない。
じゃっかんのえろげ臭がある。白で。
マスターよしえ
もっと複雑なはんにゃワークを見たあとでは物足りなかった。
依然にもっと良いもの書いていたからね。
あと構成的に3ひねりくらいしてほしかった。
ストレートで、山場が「よしえ」ひとつしかなかったのが残念。