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 掲示板でははじめまして。
 短編に参加させてもらって一年が過ぎ、その間みなさまからさまざまな感想をもらい、そのたびに一喜一憂ながら楽しみ学ばせていただいたので、今回私も感想を書いてみることにしました。
 思った以上に時間がかかってしまい、遅ればせながらですみません。
 ネタバレ満載ですのでご注意を。読み間違えなどありましたら、教えていただけると幸いです。










1 覚醒
アンデッド さん

 愉快なような、怖いような、不思議な印象でした。
 思考の抽象化+ループ構造かなあと思いましたが、短期記憶障害の人の話とストレートに考えた方がいいのかな?
 個人的なことですが、一瞬ネタカブリかと思って肝を冷やしました。



2 シェア
山羊 さん

 ストーリーの最初の流れはいいのですが、オチで首を傾げました。
 いったい誰が来たんでしょうか? なぜ独り身を装わねばいけないのでしょうか?
 そこらへんが読んでいてよくわからなかったです。オチなしの物語でもいいですが、それにしては思わせぶりな展開なので気になる。
 あと、最初で自己紹介する文は不要に思えます。2回も入ってるから、そこに何かトリックがあるのかと気を取られてしまったので。



3 生徒会の秘密
へげぞ さん

 良かったです。顔がいい人は性格が悪いなんてときどき言われますが、それを逆手に取った展開が好みでした。
 ただ文章のおかしいところがところどころあるような。「大善人」とか「確かにかわいいファンクラブまであるあの子」のあたりとか、読んでてなんか気になります。
 最初は三人称で書いてるのに途中から一人称になるあたりもどうかなと。全部一人称でよかったように思えます。



4 夜のハーメルンの雪散りの恋
カニメス錠 さん

 ファンタジックな雰囲気がいいかんじです。折鶴を貼り付けたような衣装とか摩天楼の谷間で綱渡りをするだけで生活している集団とか。幻想的で素敵。
 ですが文章が少し読みづらいのが残念。とりあえず「摩天楼」と「ハーメルン」の単語を使いすぎているのがよくないんじゃないかなあと。



5 和蕎麦エレジー
朝野十字 さん

 面白い。蕎麦依存症というなんだかありそうななさそうな病気をテーマにすえたのもよかったし、途中でスパイ映画のようなコミカルな展開になるところも楽しかった。
 でもそれだけにオチが今ひとつ。世界史系ジョークで似たようなもの(そっちの方では性欲が溜まった男が「そうだ!らくだとやろう」というネタ)を見たことがあるだけに、「これかあ」と残念な気分でした。



6 WORLD SCRUTCH
キムヒョジュン さん

 文章を酷評するときの常套句として「これは日本語じゃない」というものがありますが、それを皮肉ったネタかと感心しました。たしかに「短編」では、日本語で書くという規約がないですものね。
 しかし私の英語力がないのでそれ以上の感想がかけないのが残念。



7 アクロバチコ・アクロバチカ
くわず さん

 なぜ改行がないんでしょうか。あえて改行を使わない意味合いがあるように思えず、たんに作品を読みづらくしているだけにしか見えないのがもったいないと思います。
 話の内容は「聖☆おにいさん」のようなノリで大変面白いので、本当にもったいない。



8 雪の雨
橋元狐守 さん

 こういうちょっぴり切ない話とか好きです。主人公の気持ちとか、ヒロインとの心のすれ違いとか、とても共感できました。
 でも文章が荒削りで整っていないように思えます。あちこちに、ここをこうすればもっとよくなるのになあ、という表現がいくつもありました。



9 新年、新月、凍て夜に
おひるねX さん

 これも文章が読みづらいのがちょっと。句読点の使い方とかがどうかなあと。一人称や漢字の使い方にも揺らぎがあって、もし使い分けていたとしてもそれが伝わってこないです。
 新星というガジェットを出しているのに、それが結末に生きていないのももったいないと思いました。



10 家庭の事情
彼岸堂 さん

 この異世界感がいいですね。読んでてTmakをイメージしてしまう私はろくでもない読み手です。
 この世界では生首にして生かすことが最高の愛情表現なのでしょうか? そこらへんがどうもはっきりしなかったので、最後の展開に共感できなかったのが残念でした。いや、共感するべきものじゃないのかもしれませんが。



11 集中、ひらめき、愛、覚醒
戦場ガ原蛇足ノ助 さん

 序盤の表現がとても好きです。多少回りくどい比喩がごてごてしているところが、読んでいて嫌にならないのはセンスの良さでしょうか。とくに「これから机の木目に沿って内側に染み込むところだから決して話しかけてはいけません決して」の部分とか凄くいい。
 それだけにラストの簡素さがどうも納得いかず、どうにもバランスの悪さを感じてしまいました。まあ、タイトルから最初にスパロボを思い浮かべたようなろくでもない読み手の感想ですが。



12 夜を説く
笹帽子 さん

 一人称で敬体というのは最近の小説だと珍しいのではないでしょうか。少なくとも私は見慣れなかったので新鮮でした。
 物語も幻想的で好みです。最後から二番目の文で、小説と小夜がごっちゃになってる演出とか、いいなあと思いました。
 Excelで小説を書くというのも、なんだか素人っぽくていいガジェット。



13 カマンベイベー
森下萬依 さん

 軽妙な展開で台詞が多く、するっと読めるところが良かったです。
 しかしその点がまた、心に残るものがあまりないということになり、票を入れるには弱いかなあと。
 まあ、読んでて最初に少女革命ウテナを連想してしまうようなろくでもない読み手の感想ですが。
 



14 冬の放課後
西直 さん

 冬の放課後というタイトルから、ひと気がなくなぜか時間の流れの遅いモノクロの情景がすぐに出てきて、内容もまさにそれによく合う物で、良い読後感を味わえました。
 アトピーの女子という生々しさを出したのもよかったです。アトピーって現実には多いですが、創作の登場人物の特徴としてはあまりみないですよね。
 ただ最後に突然「恥ずくて」という訛り(関西弁? 若者言葉?)が出てきたのが、どうにも違和感が。



15 ARK
高橋唯 さん

 文章や展開が書きなれている感じでするする読めます。高橋唯さんの作品はグロテスクな表現が多いので苦手なことも多いですが、今回はそれほどでもなく安心して読み終わりました。
 しかしテーマの不平等な双子・恨みによる入れ替わりというのが、あまり目新しくないなあと不満に思ってしまいました。まあ、最初に魅音と詩音を思い出したようなろくでもない読み手の以下略。
 タイトルのARKが内容とうまく結び付けられず、そこになにか見逃している妙味があるんじゃないかと気になってます。

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