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本文: 〉 「いやねええ、きょうもまたおひがらもよく、ええ、またまたまゆをしかめたりして、もう、にんげんさまにはかないませんよ、いやほんとに、あたしはそんなげいとうできっこない、ほらね、こんなふうにちっとばかしくびをかしげるくらいでした、いやねええほんと、あたまがさがるってもんですよもんです、そらがとびたきゃひこうきとばす、こりゃびっくりですねびっくりくりくりくりっくり、ええそんな、あなた、にんげんさまのかんがえることなんてそうぞうできやしませんよ、およぐってねええふねつくっちゃう、おそれいりやのきしぼじんてねええ、ほんとに、いやだいやだ、いえいえにんげんさまをいやだといってるわけじゃあないんですよおおお、くーちーぐーせーてえなもんですよ、ねえ、ほんとににんげんさまはこのよでいちばんでござああい、むかうところてきなしにっぽんいちってね、いけねえてきなしなんていっときながらにっぽんいちとはせまいはなしだ、いやいやほらほら、あたしはとりなもんだからさ、もちのろんで、ええ、とり、ええ、おうむねおうむ、そんなとこであなたかんしんするんですかあなた、まあねえおのれをしるのはたいせつですからねええ、でももっとべつなところでかんしんするべきじゃあござんせんかねええ、さすがにんげんさまはめのつけどころがちがいます、ええ、それにしても、あなたじぶんでとりだとしっていることをそんなにかんしんするなんて、ばかにしてんでござんしょう、いやいやめっそうもないにんげんさまがとりをばかにしていけないことなどないですよ、にんげんさまにくらべたらとりなんてねええ、げのげでござんす、にんげんさまはそうやってはだかのおうさまでいればよろしい、ええ、あたしはただのとりですよ、にんげんさまがさかだちしたっててにいれられないつばさがござんす、たかみのけんぶつしょうしょうあきがきましたので、おいとまいたします、たかいびるでもすきなだけつくってひこうきもどんどんとばして、どうぞじゆうをてにいれたつもりでながいきしておくんなさんし、ではさいなら」 〉 そう言うとオウムは、かごの扉をくちばしでこじ開けちょんちょんと飛んで出て、マンションのベランダの手すりにのり、翼を広げ飛び立とうとした。しかしその体は風に乗ることなく、14階下のコンクリートにしたたかに打ち付けられた。風切り羽切られて飛べないことを知らなかったのかと、僕は思った。
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