――すべては、投票の絶対数が少ないことに起因する。
票が入りそうなはずの良作に票が入らないことも、身内票によるかさ上げも、絶対数が多ければ多数意見にうずもれる。絶対数が多いほど、平均値といったものは特異な偏り方はしないものだ。
だから、本当の解決策は投票数の増加以外にはない。しかし、サイト『短編』の特徴である投票活動をはじめとする意見の自由は、それを強制することとは相容れない。読者を含む参加者の自主性に委ねられているのだ。そして多くの参加者が投票しないことを選択している結果が、これだ。
『短編』の世話になっている身としては言うべからざることだが、誰がどこで作品を発表しても構わないし、ファンはそれを追って『短編』を離れても良い。だからと言って、短編終わった、の発言は許すべきものではない。ちょうど一年前の「ムラ」論議を思い起こさせるような不毛なものに、私は思えた。
また、同一IPからの投票を計上しない案が提示されたが、私は反対する。
なぜならば、同一IPであっても同一人物であることは証明できないからだ。考えられるケースとしては、友人や家族で同じネットワーク上から投票すること、同じ学校に通う他人が学校で投票すること(大学ともなると他人である可能性が増す)、同じネットカフェからの投票など、いずれも近しい人物である可能性はあるが、そう思われるだけで証明はできない。だからこそ第70期予選はその投票を計上したのだろうし、私は推測だけで計上しないことはするべきではないと思う。
一歩踏みとどまりたい、とは言ったが、私に新たにできることなど、ない。