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本文: 〉 得票は嬉しいことのはずなのですが、私の作品はそういう分類なのだろうか、ということを思い、複雑な気分でいます。 〉 他に近況としては、題材にできそうな九月の行事が思いつきません。十月になれば、なんとかの秋、となるのでしょうが。それから、『京都』後日談的な二次創作も思いつきません。別段やらなければならないことでもないのでしょうが。 〉 以下、珍しく今時期に改めて作品を読んで、他の方の感想などと合わせて新たに思ったことです。 〉 〉#1 葬式にて 〉 何度読んでも偽日記以外の何物でもない。 〉 〉#2 隻手の音を聴け 〉 番号順に戻した場合、第12文で突然に背景の描写から登場人物の言動に切り替わっているために主語がわかりにくいことと、第27文の「そして」が第26文との連結をおかしくしているのではないかということを思った。 〉 〉#3 京都 〉 「あまりの悲惨さ」と書いたことに疑問を持った。本作は主人公視点なので、これは客観的な見え方ではないはずである。客観的な見え方であったとすれば、「悲惨さ」は同僚たちにも明らかにわかるほどであったということとなり、それではあまりに悲劇のヒロイン過ぎる。 〉 〉#4 夜道 〉 この彼女、随分と無防備だと思う。この期に及んで初めて自分の家の場所を教えているのはどのような心境なのだろうか。あるいは主人公が彼女から嫌われていると思っていることが妄想に過ぎないのだろうか。 〉 〉#5 擬装☆少女 千字一時物語35 〉 戦場ガ原蛇足ノ助氏の指摘については、いつもの書き方から少し変えてストレスを与えようとしたつもりだったが、失敗だっただろうか。いつもならば「それの姿は聞いていた噂のとおりだった」と書いていただろう。 〉 〉#6 ビューティフル・ネーム 〉 男性的になりたいことと同性を好きになることと、どちらが先にあっただろうかということは、この種の話が好きな人しか考えないことなのだろうか。本作の綾の場合は、景を好きでいられる自分になる目的で男性的になりたかったのだと私は読んでおり、だから性同一性障害だとは思っていない。 〉 〉#7 幽霊 〉 改めて読んでみると、主人公を含めて主人公の家にいるすべての登場人物が不浄霊に見えた。鬱屈した主人公が殺した人たちで、最後には狂乱して自殺して、だから幽顕の区別がつかなかったのではないだろうか。 〉 戦場ガ原蛇足ノ助氏の指摘については、もっともだと思う。 〉 〉#8 夏 〉 改めて読んでもまともな感想が書けないのだが、文庫本を持って学校に行ったあたりが文学的だと思った。 〉 〉#9 夏の日 〉 これもまたまともな感想が書けないのだが、今期のすべての幽霊話よりも後味が怖いのは凄いことだと思った。 〉 〉#10 オルガン 〉 以前、作品中の人物が語りかけている対象と読者の間に別の層が存在する作品があるという感想があったのだが、宇加谷氏の作品群にはそのような層が多重に存在しているのだと思う。あるいは重なっていると言うよりももっと言い表せない状態なのかもしれない。だから「作者の俺」と言っても他の登場人物とは別の層にいるだけなのだろう。それが「空想の諸君」などと言っているのだから、実に用意周到だ。 〉 猿の立ち位置の読み方がますます難しくなってきた。 〉 〉#11 あなたの性格がわるいのは母親のそだてかたが原因だったのだ 〉 『夏の日』への戦場ガ原蛇足ノ助氏の「うまいこと人間のダメなところが書かれている」という感想を、本作にも転用したいと思う。私などはどうしてもそういうことで終始できないのだ(『35』は今のところ唯一の例外)。 〉 ところで、十台男の十二歳上の主人公は中年と言わなければならないのだろうか。 〉 〉#12 約束 〉 今月は珍しくサイト『短編』を携帯電話でも閲覧したのだが、なるほど携帯電話で書いた作品だ。携帯電話で読みやすくできている。 〉 内容としては、何度読んでも評価できない。読点の有無などといった程度の問題ではないと思う。 〉 しかし、海坂氏の約束に関する感想は納得がいかない。主人公がこれまでの十年間文都のことを待ち続けていたのだから、文都もこれからもずっと約束を守ってくれて上で待っていてくれるだろうということではないのだろうか。しかしそうすると、この主人公は二度と恋をしないということなのだろうか。自分から他人を好きにならないとしても、他人から好きと告白されたら、どうするのだろうか。 〉 〉#13 林先生 〉 またしてもまともな感想ではないのだが、この林先生はどこから生まれてきたのだろうか。 〉 〉#14 作品 〉 この白い服の男の嗜好のために、主人公の世界は過去に戦争が多発したり現在のようなボス猿の地位を巡って騒いだりするような世界になったのだ。憎むべき男である。しかしこの男が戦争ものに飽きたと言っているところに従者が期待を口にしたのだから、主人公からそぎ落とされた盲点はもっと別の何かなのだろう。そこに希望は持てるだろうか。 〉 〉#15 八月の光 〉 「スタートライン。誰もいなくて。ゴール。何もなくて。」といった表現が、いつもよりわかりやすいような気がした。だからと言ってやはりいつもどおり読めないのだが。 〉 〉 これで投票のときに書くことがなくなってしまったかもしれないということに、書いてから気がつきました。
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