21
文化祭
クマの子 さん
「あなたが間違っていて、私が正しかったことをここに証明する」という書き出しは最高に素敵です。これだけで一気に作品に引き込まれます。ですが、それなのに中盤で「私は自分の正しさを証明できないみたいだ」とあきらめてしまうのはどうなのかなあ。私はすごいがっかりしてしまいましたが。
後半からは佐伯さんも「あなた」も出なくなって、主人公が自分の世界にこもってしまったようなのが残念。もし後半こそがメインテーマだとしたら、前半があまりに魅力的すぎました。
あと細かいことですが、女学校じゃなくて女子校の方がいいかと。女学校というと戦前の物を連想するので。
22
小さなつめ
高橋唯 さん
高橋唯さんの小説は、読んでて生の臭いが伝わってくる感じが凄いと思います。正直言うとあまりに生々しい話はちょっと苦手ですが、これは読まされる。
肉体を通過するって表現が、古風さを漂わせてて心地よいですね。
ですが拳ダコの男の距離感が全然わからないところが気になりました。まったくの通りすがりの人間なのか、それとも前々からサキのことを想っていてそれが美香にも知られている人物なのか。そのあたりの関係を匂わせる部分がもっとあればわかりやすかったなあと。
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エレベーターに乗る
石川順一 さん
段落頭一字下げが不揃いなのが気になります。するならする、しないならしないで統一すべきではないかと。
カッコ書きの独特さや、不要に思える日時場所の細かい指定が、逆に文章に独特の雰囲気を出しているところはよかったと思います。
何度読み直しても、何がメインで何を伝えたいのかがはっきりわからないところが私の好みではないのですが、それはそれでありなのかもしれません。
24
おかえり
euReka さん
文章と雰囲気がとても好み。形而上的世界というイメージで心地よいです。
最初は乖離していた地の文とセリフが、結末に近づくにつれて寄り添って合わさる技法も上手いなあと感心させられました。
ただ核になっている理屈の「時間Tが有限であれば逆行しあう二つの時間はいつか出会える。でも時間が無限なら、二人は永遠に出会えない」がわかりません。
むしろ逆じゃないですか? 逆行する時間Tのどちらか片方でも無限であれば必ず重なる部分(出会い)がありますが、双方とも有限なら重ならない可能性があるんじゃないでしょうか?
凄い気になるので教えて欲しいです。
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甘いか? レッスンは?
おひるねX さん
私はゴルフといえばテレビゲームしかやったことがありませんが、それでも素人が戸惑いながらゴルフの初体験をしているのが伝わってきて良かったです。おひるねXさんの実体験が元になっているのでしょうか。
しかし千文字で収めるには足りない題材というか、もっと書くべき部分を絞った方がいいように思えます。まったく存在感のない小雪さんや、苗字が珍しくてやけに目立つ屋福さんとか必要だったのでしょうか?
滝音プロからアドバイスを受けながらの二人だけでのプレイにした方が、より内容を濃く出来たように思えます。それともゴルフは四人でプレイするのが一般的なんでしょうか。
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株式会社ネコに好かれたい
ハダシA さん
ナンセンスな舞台設定が良かったです。展開もなるほどと頷けるものでひっかかりなく読めますが、逆にストレートすぎるのが少し淋しい気もします。
一つおかしいなと思うのがアンケートの形式。アンケート用紙のQ1を読み上げながら、すぐ下のQ2が目に入らないということがあるのでしょうか?
こんなシンプルな質問なのに一枚の紙にQ1しか書いてないとは考えづらいです。それとも紙がものすごい小さい?
どうやって猫にアンケート用紙書かせるのか以前に、こんな単純なところが気になりました。