1 目的のために 普通電話代金 870
トンネルに入るとどこかへ行ってしまう感覚は好ましかったけど、色々へた。例えば、冒頭でトンネルって言葉を三回続ける必要もないし、それだったら違う方法で読者にトンネルに入りこんでいくような錯覚を覚えさせる文章を構築した方がいいと思う。
2 BRIGHT 並盛りライス 999
こういう話は別に嫌じゃないんだけど、でももっと圧縮しても通じるんじゃないのかなと思う。で、余った部分は五年後の話しにするとか。
3 不適合者 urem 992
こういう話なら、どんどん人格が増えてくような感じにして、お母さん役とかお父さん役とか出てきて、それで安定しちゃうみたいな話を書きたいなあ今なら。安直。
4 大家族SP 羅奈 88
みじかい。大家族の話はすごくおもしろいと思うんだけどな。複雑そうだから、きちんと丁寧に書けば。
5 幽婉で華奢な迷子 ayano 817
分かりづらい。分りづらいけどいいやという態度なのだろうか書いた人は。こういう文章は、入れ子構造にして、作品内作品なんかにすれば簡単に扱える。客観的にこの文章に対してコメントする人を立てれば、読者はその人に同調できるから。分りにくい感覚には翻訳機の役割がいないと当然分かりづらい。
6 送迎 アヤカ.com 357
自己完結型の人物は小説の主人公にはなかなか不向きなんじゃないのかなと思う。これも第三者がいればわりと読み応えがあると思う。この風俗嬢を否定する人物を出せば、それだけで動きがでるし。
7 重豚 クマの子 1000
ユーモアなのかな。重豚という樹脂が豚の鼻に似ていて、その走る姿が面白いということなのかな。
8 思い出 八代 翔 596
独り言っぽい。単純に、違う意見の登場人物一人増やすだけで、話にふくらみが出るし、それで思いもよらなかった展開なるのにと思う。「理想的な過去や未来を胸の内に抱いているほど、人は、それを思い知らされるのだろう」というテーマがはっきり分かってるなら、その一言だけ書けばいい。
9 例えば呼吸をするように なゆら 1000
台詞だけで面白い小説にはなかなか出合えないです。どうしても間が抜けたようになってしまうんですよね。台詞の性質のせいなのですかね。
この掲示板に何度も書いてるのですが、描写は実際よりも遅く感じられ、説明は実際よりも早く感じられ、台詞は等速に感じられる。描写は、ピアノの鍵盤を人差し指で叩いて音を鳴らした。説明は、ピアノを弾いた。台詞は、ぽろーん。
10 怨み ryuutyann 837
へたなんだけど、インターネットによってこういうへたな小説が読めるというのはとても有意義なことのように思える。幼児の描く絵のもつ躍動感みたいなものを感じるときがある。高速で話が展開するし、ほとんど意味のないような情報が多いし(例えば南山龍也という名前は必要なんだろうか)、けれどこの文章に書かれたからには書いた人にとってそれなりに意味があるわけで、それを探るのが面白かったりする。
11 666 lipputon 879
「という小説を読んだ」の一文を添えるとなんでも意味深長になるんじゃないのかなと考えたことがあるのですが、だいたい最後の一文さえなんとかすればなんとかなると思います。これは、「次の日、保坂も死んだ」みたいに落ち着けばすっきりするんじゃないのかなと思いました。
素朴に、本当にここで終わっていいのか、この熟語は必要か、台詞は必要か、と真剣に考えることの積み重ねが面白さにつながっていくのではないのかなと思います。
12 レディ・メイド、あるいはその不正な起源を自ら隠蔽するテクスト/思想 笹帽子 741
自分の中で理解しきっていることを書くのか、それとも書きながら探すのか、と言えば後者が正解なのだと思う。
13 君が代 金武宗基 37
こころふるわせられた。
14 魔法を使う女たち 戦場ガ原蛇足ノ助 997
核心に近づくようで離れていくようすが面白かった。かどわかされたかんじ。
15 終末 六車 春奈 523
どうしてこう、苦しんで死んでいく話はつまらないんだろうと思う。生半可だからなのかな。
あっさり死ぬよりかは、その間になにをするのかっていうのなら面白いんだけど。
16 ばあちゃん ロロ=キタカ 988
なんか自由だな。最後の一文を(むずかしいけど)変えたらもっと良くなりそう。
17 良い夢見せるから寿命を寄越せ ナイデン 316
この後どうなるの、って書いたらもっとふくよかになるのにと思った。
18 飛び続けるよ、ゴルフボールは おひるねX 977
登場人物が多すぎてぜんぜん分からない。
19 鳴ル女 志保龍彦 998
描写、説明、台詞、の区分で言うとこのお話はほとんど説明。もっさりしちゃってる。クレシェンドデクレシェンド。もしもこの話が音楽だったとしたら、って考えてみると構成は作りやすいと思う。これをもしも西野カナが歌ったらと。
20 かっきーん 高橋 1000
構成として、これも外部から見届ける人間を一人配置するだけで見違えるようになるんだけど。読んでいて、入りにくい。独り言のようなお話。
21 月の裏側で会いましょう euReka 990
これを描きたい、ってテーマが決まってるっぽいんだけど、それを無理矢理無理矢理に風合いを変えてる感じ。ひたすら奇抜を狙い過ぎてるんじゃないのかなと思った。
22 『三日月のはしご』 吉川楡井 1000
さんしょううおに近い味わい。すごく嘘の話なんだけれども、ものすごく慎重にならなければならない処理に、色々不手際が感じられた。「足もとに二匹のカエルが寄りそいあって潰れています。」は蛇足に感じたりとか。もったいない。