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 よかったら読んで下さい。


1 悩ましき大問題;三毛猫 澪

 あまりにも普通の話なのでそのまま通り過ぎてしまいそうになるのだが、何度か読み返しているうちに、ジワジワと染み出してくるものがあるから不思議だ。前作よりも、今期作の普通で控え目な感じのほうがずっといいし、作風に合っているような気がする。
 とくに女の子なら、誰にでも経験のある夏服の決断。それは毎年必ず巡ってくるささやかな(でも悩ましい)決断ではあるけれど、そんなささやかな決断の一つ一つが、人生に戸惑う私たちの背中を軽く押してくれているような気がする。夏服の清々しさがに、いつも、ほんの少しだけ気持ちが救われている。
 そんなことを考えました。



2 ボクカノ;アンデッド

 主人公が「彼女」と呼んでいた動物の正体とは、猫なのか何なのか?、という謎が残る。そんな“よく分からない獣を相手に獣姦するテロリスト”の心境を理解するのは非常に困難であるが、一つだけ容易に想像できることがあるとすれば、それは、主人公が極めて孤独な人間であるということだろうか。主人公は救い難い孤独を忘れるために獣姦をやっているのであり、タブーを犯すことによって他者をも拒否している。これは――少し語弊があるかもしれないが――オタク文化と呼ばれるもののネガティブな部分にも、その“孤独感”は通じているような気がする。
“獣姦”というのは人知を超えた神話的な行為であり、神話の世界に救いを求めるしかないような深くて強い孤独というのは、現代の社会の中に確かに存在するのだと思う。
 しかし、だだ孤独を表現するだけでいいのか?、という不満も残ります。



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