仮掲示板

83期全悪口1

1 悩ましき大問題 1000
説明がくどい。もうちょっと間引いてもいいんじゃないだろうか。冒頭とか、「他人の眼を気にしすぎる小心者の私は衣替えのタイミングをいつも悩む」で済む。「他人の目を気にしすぎる人」はありふれているので、こんなに書き込まなくても分かるんじゃないか。
根本的な問題として、いわゆる小心者といった人間が出てきて、事件が起きて、それが解消されたように読めるといった流れはもう書く必要はない。見あきた。暗い人間、出来事、は小説から一切排除するべきだくらいの気持ちが必要なんじゃないか。
それから「一本ではヘナチョコな矢でも二本だと折れ難い。」みたいなとこは、一般常識で「三本の矢」だと折れにくいと言うのだから、なるべく避けたい。

2 ボクカノ 969
冒頭の棒線は何の意味があるんだろうか。なくても良い。そもそも冒頭自体がいらないんじゃないか。
Aは実はBでしたといった物語を楽しむ文章だと思うけど、単に筋書きだけならば、視覚のある漫画、音のある映画のほうが優れている場合が多い。小説で筋書きだけのものを書く必要はないんじゃないか。
ちなみに、私の中では物語、文学、小説、というのは分類されていて、
-物語:王様が死んだ。女王様は泣いた。
-文学:王様が死んだ。悲しいので女王様は泣いた。
-小説:彼は窮屈な靴を履いていた。
となる。小説は、事件を羅列する物語でもないし、事件に人間の感情をつけくわえた文学でもないし、そのどちらでもない言葉で書かれた新しい何かだ。とかく、文学のことを小説だと思ってる人が多すぎる。
文学は文学っていう、小説の中のいちジャンル。万葉集チックに人間の感情を風景に託すのが好きなのが、文学。

3 私の好きなもの 515
物語とか文学とか小説って話でいくと、これは文章は細切れで美しくない文面に私は感じるんだけど、けっこう小説になる可能性はあるんじゃないだろうか。
結局この文章で語られているのは、憧れという感情で、憧れなんてありふれたものは今さら書く必要はないと思うんだけど、それとは別にちょっと違った読み方もできた。そのあたりに小説になる可能性を感じた。
「オムライスの卵の黄色が好き。」とか、盲目なんだから色なんて分かるはずないだろとも考えられるんだが、これは盲目の人が、物の名前と色の名前とを頭の中で結び付けている行為にも読める。失われている感覚を、言葉の上だけで再構築するという作業は新しくて、面白そうに感じる。小説になりそう。

4 映画 1000
よく分からない。
描写が多いからじゃないか。
「まどろみから覚めた、と眼前に直径10メートルくらいの真っ白な光の球が浮かんでいて、不如意に開けてしまった双眸を激しく射た。顔を逸らし、眼球に焼きついた赤と緑に点滅するに光の痕を眺めながら、今見たのが太陽の正体なのだな、と気付くのに約20秒かかってしまった。」とか、くどい。「まどろみから覚めた。目を開けたら太陽でまぶしかった」ってことだけなのに、なんでこんなくだくだしく書いたのか。くだくだしさを楽しむんだったら、それならもっとくだくだしくしちゃえばいいのに。全体的にくだくだしくなり過ぎているので、どこに注目していいか分からない。
tipsだけど、読者の立場に立ったとき、台詞、描写、説明という文章の種類を考えると、
-台詞:「ああああああああああ」>読者にとっては実際と同じ早さの感覚。
-描写:「彼は椅子にすわり、右手を上げ、人差し指だけを伸ばし、ピアノの鍵盤を叩いた。」>実際よりも遅い感覚
-説明:「彼は人差し指だけでピアノを弾いた。」>実際よりも早い感覚。
となる。

5 バイクで走る 600
冒頭の「陽が傾き、青い空が少し赤みを含んできた。」は、変じゃないか? 青い空がいきなり赤みを帯びることなんてありましたっけ? うすやみがかってきた空に、赤みがさすように記憶しているんだけど、どっちだったろうか。
落ち込んでいた人が、立ち直る、みたいな流れは今さら書く必要がないとやっぱり思う。
「何かが違う」なんて思う人もいらない。違うって思ってる人ばっかりだ。

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