珍しい方から感想をいただけたなと、嬉しく思います。
『ねがいごと』の感想で、「紙袋」に注目したところ、さすがと思いました。このようなことが作品の現実味を増すことであり、恐らく作家さんの気を遣うべきことであると思います。そんなことに今さらながら気づかせてもらいました。
〉10 例えば千字で刹那を 黒田皐月
〉刹那はたしか仏教用語で、仏教的な時間単位は一通り具体的な数字が出ているはずでは……と検索してみたら七十五分の一秒くらいという説があるようですが、それだとあまりおもしろくないですね。
書いたときには実は何も調べていなくて、後で手持ちのBookshelfで調べたら10のマイナス18乗秒とあり、これはまずかったかなと思いました。仏教的な時間単位は確かに具体的な数字があって、長い側では「劫」が一万八百年だったと、西遊記で読んだような記憶があります。人間の知覚する時間を越えた概念がそこにあるように思います。
〉興味の対象が速度ではなく実は時間の方だった、というのが、うんうん、なるほど、と楽しめるところだったので、そこを盛り上げるポイントに使うか、あるいは初めから時間の話として押し通すかした方がすっきりしたんじゃないかな、と思いました。
例えが悪いなと思いながら、良い例えが浮かばなかった結果、もぐら氏の感想にもあったように、焦点が絞りきれていない感じになってしまったようです。
宣言に反して怨の念が弱まってしまっている、黒田皐月でした。