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3 ビーアグッドサン

笑った。馬鹿馬鹿しかった。この設定にこの状況、その馬鹿馬鹿しさが良かった。1000字なんだから小難しいことを並べずにストレートでいっていいのだ。ここに何かを求めるのではなく、これはこれとして楽しめば良いと思う。本当にいろんな作品があるよね、短編は。
で、ジョークを真に受けて突っ込むと、喪主は感傷に浸れるほど暇じゃないけどね。


10 月はただ静かに

今期の黒田さんはとても丁寧に慎重に書かれているなという初見の感想。
これを書きたいと言う思いが伝わってきた。
私は全ての作品を何度か読んだ後、朗読し、納得できなかったら演じてみたりするんだけど
この作品はどうも読んでて引っ掛かるなあと思ったので、朗読してみたらやはりあちこちの日本語に違和感があった。
「作品自体が違和感だらけでそれを狙っているのが演出」というのとは別として、この作品はなるべく緻密に見た情景を表現しようとしていると感じられたので、やはりつまらぬところで引っ掛かるのはもったいない。
とは言うものの、私だって口で言うほど書けやしないんだけど
私なりにつっかえた所を変えてみた。また勝手なことをした。先に謝っておこう、ごめんなさい。

 ようやく太陽が西の地平に沈み、月が東の海上に姿を現した。日の高いうちは海水浴場であり、水着姿が思い思いにシートを広げていた砂浜は、今度は花火大会会場となり、浴衣姿がやはり思い思いにシートを広げる。もはや残光は失せ、砂浜を彩っていた浴衣姿も色を失う。開始時刻が近づく。目に映るものはまだ海面からそれほど離れていない高さに浮かぶ月と、蛍のように砂浜のそこかしこへ散る、携帯電話の光ばかりとなった。
 喧騒の遠くから大会開始の放送が流れると、漁港の先端で打ち上げられた花火が、海上に大輪の花を咲かせた。いまや闇へと沈む浴衣姿に見せつけるかのようにだ。光と音が破裂の衝撃や火薬の匂いをまとう。赤、青、黄、緑、桃色などのさまざまな色の光が、あるいはまっすぐ飛んで一瞬に消え、あるいは枝垂れ柳のように残り続けて海面に落ちる。中心点から球状あるいは放射状に大きく飛ぶ光、二段階の破裂によって随所から不規則な方向へ飛び散る光、あるいは魚やクラゲを模した光などが次々と舞う。笛が仕込まれているものや第二段の破裂を細かくすることで爆竹のような音を響かせるものあり、光だけでなく発せられる音までもが観客を喜ばす。連続して放たれたそれらが織り成す総体は、夜空のキャンバスにひとつの作品を作り上げていく。観客は一様に、月よりも高いところで作り出されたその芸術を、首を上げて眺める。あるいは携帯電話。
 やがてすべての花火が打ち上げられ、大会終了の放送が流れた。広い砂浜にはどの程度に観客が散らばっていたのか、拍手の音はまばらであった。しかしそこにはどれほどの観客が詰めかけていたのか、駐車場へ向かう浴衣姿の列はがやがやと賑やかで、長く混雑していた。当然に駐車場から出る自動車の列も、いつまでも進めずに列を成した。道路を彩った自動車のランプは花火よりも明るかったが、その不整然さは花火のようには美しくなかった。そのランプに映し出された浴衣姿の雑然とした列の方がまだ美しかったが、それもいつしか駐車場に吸い込まれて消えた。
 月はそれを、花火よりもまだ低い場所から眺めていた。もう誰も見上げることのない空を悠然と、花火よりもずっと高く上がろうとしている。

個人的なことだけれど鎌倉の水中花火を思い出した。
なるほど、私も昼間は水着で場所をとり、レジャーシートははそのままにして、銭湯へ行ってまたその場所に戻った。夕飯はマックかコンビニと高をくくっていたら、なんと!コンビニ一軒丸ごと売り切れていた。(菓子類すら無い)すごい!マックなんていつになったら買えるやらの長い列。その日は夕飯にはありつけなかった悲しい思い出。


17 彼と私の話法

わたなべさんはそんなつもりは無いかも知れないけれど
(だけどこの読みで合っているかも知れないけど)
すごく怖い話だと思った。qbcさんの感想に近いかもしれない。

この女性は優しさとか愛情という名の見せかけで
男を真綿でがんじがらめにしている。
この男はきっとどんどん書けなくなるだろう。
書けなくなっても「大丈夫よ」「ご飯食べよう」と女は言い続けるだろう。
そういう恐怖。男が飼い殺されていく恐怖。
飼い殺されていくことに気がつかない恐怖。

自作の「なくした」の過去がこうだったなら、あの作品も少しは深みが出るかもしれないと思った。


以上です。
三つかけました、良かった。前回のタイトルを変えたい。今更。

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