以前の議論で十把一絡げで「面白い」「つまらない」と書くことに批評があったので。
あんたに評価されたくねーよという方は読まないでください。
とりあえず#1〜#10まで。
#1 白い部屋
個人的に今期の作品の中では最も高評価。
書かれている全ての文章に意味があり、必然がある。足りない部分も全てちょっとした想像で補うことができる。過不足なくすっきりまとまっていると思う。
80点。
#2 硝子の虫
よく書けている、とは思うものの、読了直後の率直な感想は「だから何?」である。
唯一、おっと思ったのは「返せ、その写真を。」のくだりぐらいか。
55点。
#3 ビーアグッドサン
一言で評せば、下品。
父が“息子”に宿るといった発想はともかく、母の宿る場所が最も予想ができる安直な場所となっていては、ガッカリを通り越して幻滅する。
下ネタは人間としての根源的な興味をひくが、安易に用いては作品どころか作者の品性も疑われる。という良い見本。
30点。
#4 忘れられた昼食
書かれている内容は理解できるが、一個の作品としてみた場合はどうか?
どこで読者をつかんでどこに帰結させようとしているのかわからない。特に書かれている以上の“ウラ”や“メタファ”が含まれているとも思えない。
少なくとも私はこのような作品に対する評価は低い。
40点。
#5 吉右衛門と六甲おろしのおはようサンデー
私の中ではもともと宇加谷さんの作品に対する評価が低いことをまず断っておく。
その上で評するならば、あまり面白さは感じない。たぶん、この作品の“肝”はハイテンションな剛とクールな玲子の対比の妙だと思うのだけれども、それらが“面白さ”に直結していない。
50点。
#6 八丁林の探索は
個人的には好きなストーリーにはいるのだろう。しかしながら、正直インパクトがない。さらっと流して終わり。そんな印象がある。
無礼を承知で書けば、1000字という限られた字数の使い方があまり上手ではない様子。意味深な「八丁林」の由来や「近寄る子供達はいなかった」理由などが書かれておらず、上記の表現である必然性はない。作品の“肝”が勇太の孤独と同級生との交流(の始まり)にあるのであれば、余分な表現を省いた方がより焦点が絞れるのではないだろうか?
50点
#7 逢魔が時
改行がなく読むのに疲れた。しかも内容があんまり理解できない。レギオンって何?
あくまで個人的な意見だが、このような改行がない作品にはスピード感が伴う。一気に読ませて最後に読者をあっといわせるような工夫が必要なのだけど、これにはない。しかも所々考えなくてはいけないので、余計詰まる。
40点。
#8 医者と死神の微妙な関係
まさに微妙。死神の女の子のキャラクター性に全てを預けちゃってません? まあ、そのことが悪いとはいわないけれど私の好みではない。
45点。
#9 シバタ坂のデンジャーゾーン
ANUSの印象が強すぎてシバタ坂とかデンジャーゾーンとかどうでもいいよね。
冷静に作品を見ればANUSである必然性が全くなく、下品な印象だけが残る。英和辞典を眺めればもっと洒落た表現があったのではないか? あくまで一例だけどant→cantみたいな方向性でもよかったんじゃないかと。
50点。
#10 月はただ静かに
まとまってはいるものの、やはり全体的にインパクトがない。さらっと流して終わり、そんな印象。
記事192に作者自ら
〉書きたかったのは落ちとしての月と、花火の描写。クールとのご意見ですが、温度の意識はなし。
と書かれておられるが、月の描写はともかく、花火の描写については改行もなく全体が詰まって書かれており、さほどの印象が残らない。ハンニャさんがクールと評されたのもその辺じゃないかと邪推する。
60点。