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本文: 〉続けていきます。 〉 〉 〉4 スペース・リビドー 灰人さん 859 〉 〉 お名前はハイドさんとお読みすれば良いので? 長月夕子さんが怒るか喜ぶか…いやそれはともかく。 〉 地の文の拙い語り口は、繰り返しをうまく使って効果を出している。括弧書きの中で「おろかな兄の願望でしょうか」という文学的スタンダードセンテンスが一種奇妙な盛り込まれ方をしていて、このアンバランスさがまたよい。計算して書いているのだとすればなかなかすごい。「短編」作家さんで言えば、テンポが曠野さんっぽい。リビドーたっぷりの語りはqbcさん。ちんこへ手紙を書いてるところも可笑しい。 〉 〉 なお、作品のおかしさとは別に、骨組みだけを読み取ろうという試みをしてみると、この話は流れるような言葉遊びを愉しませることが目的で、実際ほとんど意味らしい意味はないのではないかと思う。らしきものを解釈しようとあえて言うならば、このちんこはちんことしての意味が実に薄い。どれくらいかと言うと、冒頭の一行で一瞬にして星になり、ラストの一行で「かしこ」と書いて終われる程度にしかちんこでない。作中に書かれる手紙も、子どものおもちゃを擬人化したような「存在の薄っぺらいちんこ」に対して書かれているのである。ちんこの意味より音から想起されるイメージ(それも幼児的な)で遊んでいるのだろうと思う。来月は妹の……を地に埋めてみてはどうか。 〉 〉 〉5 贖罪 TMさん 1000 〉 〉 多重人格か何か、少年を取り巻く性格づけされた影との議論に、担任が巻き込まれて困惑している図、ととりあえず状況を整理するところから始めてみた。過去に投稿された作品も幾つか拝見しているが、こういうスタイル――私が思うところの「アメリカンスタイル(偏見)」――つまり対話によって小説を構成し思想を織り込むという作風、を得意とされているようである。ここに登場する担任という人は実に薄っぺらく描かれている。冒頭で少年の抱える「連中」についてシニカルな口調で批判して見せたかと思えば、少年の台詞で一転口調が弱弱しいものに変化し、冒頭の言葉は少年におもねるものであったのかと気づかされる。その後はただひたすら情けなくあり続ける。この薄っぺらさは担任という人の教科書的真面目志向に起因するのだ。 〉 〉 冷静な判断をすれば、こんな薄っぺらい担任という人物に議論を吹っかけたところで、勝っても負けてもどうにもならない。少年がそれでどうにか溜飲を下げるというのであれば、それは、ただひたすらに相手をやり込めてやりたいというだけである。 〉 決め台詞は少年の 〉 〉> 「は! 贖罪は貴様が悪である限り成し遂げられない、永遠にな!」 〉 〉 しかし担任は教科書的糞真面目一徹、何ら恥じるところが無い。恥のない彼には贖罪という感覚など持ちようが無い。つまり彼は(意識された)悪ですらない。悪であると思っているのは少年であり、贖いを求めるのも少年であり、それらは全て少年の支配感情に起因するひとりよがりなものに終わってしまっている。 〉 〉 まとまらない感想だが、教科書的糞真面目と支配感情との議論は不毛であると思う。現実に、過去に両方の性格の人物それぞれと議論したことがある(いうなれば自分だって双方兼ね備えたところがあるわけだが)。しかしいかなるテーマで議論しても結論は変わらない。つまり「お前が悪い。俺に罪を償え」「僕は真面目で正しいことをしている。なのに君が僕をいじめるんじゃないか」という水掛け論を続けることになるのである。自分が勝たないと終われない相手と話をするのは疲れるし、わかってもらえないんだから話をする方だって疲れるはずだ。これは悪意ある心理的なゲームである。対話のルーティンにはまり込み、不毛な結論が見えているのに、それでもこういう対話を何度でも繰り返すのだ。そんなの疲れる。だからやりたくない。そう思って暮らしているくらいなので、個人的にはあまり好きな作品ではない。しかし、意図的にこうした作品を書いているとすれば、それは成功していると思う。 〉 〉 〉6 爪 仙棠青さん 1000 〉 〉「爪ピアス、スプリット爪は言うに及ばず」これは金原ひとみの「蛇にピアス」あたりであろうか。あれは爪でなく舌だったけれど。文章が流麗で表現も的確、かつ読みやすい。カレーライスに爪が立つ瞬間など、おお、と思った。 〉 〉 個人的な意見でしかないが、そこまではよかったので、後半が実にもったいない。「爪なし流行」に逆転するのは、わりとよくある流れだと思う。そして「実際爪が無いと不自由なことだって多いのだから。」という現実的な帰結点。それはそうだよね、としか言えない。そもそも深爪には、切っちゃったりとか食べちゃったりとか、やや小児神経質な原因を想定してしまうのだが、そのへんのところは最初にもう少し書き込んであるとよかった気もする。しかし字数は限られるし、出発点が「メディアとそれに追従することを是とする民衆」だから、仕方ないのだという気がするけれど。うまくて、わかりやすいからかえってそう思えてしまうのかもしれない。ごめんなさい。
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