「8本足の秘密」
変身する時の考えの飛躍が面白かったです。クモが横にしか動けなくなったくだりだとか手がハサミになったくだりだとか。
クモとタコの通過点でしかないカニの存在を考えると、なかなか悲哀を帯びていていいなあと思いました。
「帰れない二人」
これを映像で見るときっと辟易するけれど、これはなんだか楽しそうに思えて面白かったです。アメリカ人がリンチを要求するあたりからの喧騒のまとめ方がいいなあと思いました。
「愛を伝える」
不毛ですね。好きです、こういうの。あいしてる、ってなんだ、という具合に自分の中に入っていかないだけこの主人公はまだ健全だという気がします。
「宛名のない手紙」
これも不毛ですね。『愛を伝える』のデフォルメを解くとこうなるという感じがしました。
「百円の正直」
主人公よりもその母親よりも、たったそれだけの事でほんわかしている二人の店員が素敵だなあと思いました。
「キメラ」
子供が子供らしい?ところが効いてますね。
「ooopen」
眼鏡をかけている人の眼鏡を乱暴に扱ってその人にかなり強めに怒られた事がありますが、そういう人がこういう状況に陥っている様子、として読みました。とりあえず導入部ですよねこれは。
「生きてる象の解体現場」
夢十夜を思い出しました。夢なら覚めて。
「チューズデー」
ハードボイルド調。千字じゃ物足らない感じですが、それでも楽しみました。
「おいしい牛乳」
これも千字だと物足らない密度。
「Can&Cannot」
かたちは違えど、『愛を伝える』『宛名のない手紙』と同じ内容ですね。人恋しい季節?
「dive」
簡単な言葉で読んでみたかったです。
「アルカイックな彼女との対話」
そうなりますかー。好きな感じの出だしだったのですが。
「鳥が瓶を食べ、熊が釘を食べる」
うーむ。
「ロードムービー」
心地よし。