1 <叶う>の反意語は<破れる>ではなく 翻車魚 1000
よく分からなかった。
さみしい感じがするなあと思ったのだけれど、
最後は前向きな感じ。
「障害者」「世界」「国家」「バレーボール」のパーツの
結び付きが弱く、達意力が不足しているのかもしれない。
2 あたしのすべて。 いずみ 628
日記でしょうか。
思いつきですが、日記に時間の幅を持たせたら
面白いのではと思いました。
例えばこの文章を日記だとして、その一年後の
「ある日」の日記を書く。
相変わらず「つまらない生活」を送っているのか、
それとも「楽しい生活」に変わっているかもしれない。
その変化って小説的だと思いますがいかがでしょうか。
※一年前でも面白いでしょうね。
3 この街からあの街へ 尚 493
前の作品と似ていますね。
似ているものがあるということは、同じ感覚の持ち主が
他にもいるということだと思います。
だから、「人生つまらないんだがどうにもできない」
といった作品を読みたい人も大勢いるのではと思います。
また思いつきですが、
このまま「つまらない」ままで人生を送る人の
老後なんかを脳内シミュレーションして小説にしても
面白いと思います。
※私は読みたいです。
4 come together 公文力 699
「マリファナ」「ガンジャ」「勃起」「Beatles」という言葉自体に
特定のカテゴリー臭を感じてしまった。
いま注目すべきワードではないと思いました。
「いま」の視点からこのワードを賛美したり罵倒したりする
視点などはいかがでしょうか。
5 とうめいにんげん Qua Adenauer 666
続きが気になる。
自分も見えないし他人からも見えないとなると、
死ぬしかないのかな。
願いが叶ったら実は条件付だった! みたいな話は
おとぎ話的で楽しいけど、その先も書いてくれたら
もっと楽しかったと思いました。
6 危険地帯 ヘコハム 614
こんかい特に「ゴキブリ」にこだわる必要はなかったと思いました。
発想の方法として、「変えてみる」というのがあります。
例えばゴキブリじゃなくて「イヌ」に変えてみる。
ゴキブリの会話に「イヌ」が割り込んできて、
「臆病だな先に行くよ」的なセリフを吐かせて
毒団子を食べさせる。
害虫を殺すためのものが飼犬を殺してしまう
といった皮肉がでたりするのではないでしょうか。
※その場の思いつきですみません。
7 そらいろ 藤城一 988
戦争で爆撃を受けた前後の描写でしょうか。
なぜいまこのような作品を書かれたのかが
ひじょうに興味深いです。
8 ジェンガ masashi 864
「脱衣」なり「初体験告白」なり、罰ゲームが
かかっていたとかジェンガの興奮を煽る
仕掛けをもっと作っても良かったのではないでしょうか。
ネタがシンプルなので、あと「太宰治」文体にするとか
「村上春樹」文体にするとかアレンジが楽しそうです。
9 人形と人形遣い 西直 1000
江戸川乱歩の「芋虫」が先行作として圧倒的。
お口くちゅくちゅに描写が集中しているので、
そこに絞った設定にいったほうが良かったのでは
ないでしょうか。
10 白い壁 fengshuang 956
粗くはあるけど面白かったです。
「逃げ出したい」状況設定へ
「白い壁に手を触れる」という仕掛けが投入され、
「壁に手を触れる」という行動を人物が行動を起こす。
骨組みがしっかりしてる。
最後、「まだ信じてる」部分も素敵。
「信じる」ってことはこういうことだと共感しました。
11 アダルトチルドレン qbc 1000
「過去と現在が結びつき、化学変化を起こして親しみを感じる」
という部分が分かりづらい。
また「アダルトチルドレン」というワードは、曖昧で乱暴で
やや古臭い言葉と思いました。
12 擬装☆少女 千字一時物語16 黒田皐月 1000
>悪い姉でごめんね。言えない言葉は胸にしまい、私は今日も至福に浸ったのだった。
悪いと思っていたら心から幸福とは思えないはずだと思いました。
もういっそのこと長い作品を書いてすべて出し切ってしまうという
方法はいかがでしょうか。
ほぼ毎回「女装」テーマで書くということと「1000字」の制約は、
無関係なのですし。
※もしも関係があるのでしたらすみません。
13 誰も知らない たけやん 297
「夢見るゴキブリ」という作品が形式としては近い
と思いました。
http://www.youtube.com/watch?v=QFlSG1DYCVs
まろやかな感じがして素敵でした。
14 空が見えない ろーにんあきひろ 999
発想パターンとして、これも時間をそのままスライドして、
「浪人で空が見えない」と思っていたのに、気付けば
就職しても同じだった、とよりいっそう悲観的にしてみるのは
いかがでしょうか。
また、「ユニコーンが心を許すのは処女だけ」という設定が
ありますが、それを流用して「空が見えない」人は、
例えば異性に好かれまくる。だが気分が塞いでいるので、
異性からのお付き合い申し込みを断りまくる、
とするのも面白いかもしれません。
※むしろ私が書きたくなってきました。
15 甘え 佐々原 海 953
どう考えても3ヶ月後にまた同じこと繰り返しちゃうでしょう。
これを今期の「誰も知らない」的にループさせると
面白いかもしれません。いかがでしょうか。
16 八巻無情 咼 1000
文章が読めなかった。すみません。
言葉がお好きな方だと思いますので、
よろしければどこが面白いところなのかを
ご解説いただけると嬉しいです。
17 エスカレータで指切断の事故 わたなべ かおる 369
・事故はよくあること。
・大切な人が傷ついて哀しむのもよくあること。
と思います。
筒井康隆的にこの「お前」がヒステリックに
「ほんとにあなたの指が切れたらどうしよう」
と妄想し、市民団体を立ち上げて全世界的に
エレベーター廃止に向かわせる様子を描くと、
ダイナミックになるのではないでしょうか。
またエレベータ事故が起きたのは
エレベータ天使レベコちゃんのマジックパワーが
足りないからだ! という秋葉原的発想で
処理するのもいかがでしょうか。
※私は「愛の流刑地」みたいなアプローチが
個人的に面白いと思いました。
18 虎ノ門 宇加谷 研一郎 1000
面白かったです。
猿なんだか作家なんだか。
企画とか商品開発でも、
例えば30代男性が使う物作るんだったら
30代男性になりきって30代男性が行きそうな
現場へ行って調べる訳で、そしてそこで
自分が思い描いている30代男性なんかを
見つけたら、ああこの人の為にモノ作るんだな
と思ったり、というわけで、普遍性もある
作品ではないのかなと。
下調べが几帳面な作家さんが好印象でした。
19 嘔吐 長月夕子 999
最後の情景がもわっとした感じでが素敵でした。
が、お父さんが突然出てきたので驚きました。
もうすこし整理してしまって、例えば、
第一段落が説明としてしか機能していないので削除し、
次の真一と叔母の対話の中でその説明をしてしまう、
などという方法もあるのではと思いました。
※そしてその対話の最中に父親も登場させてしまう。
思いつきですみません。
20 松の木 かんもり 984
面白かったです。
効果として狙われたことか分からないのですが、
淡々と語り、そして結局何も解決されなかった、て部分が
うっすら怖かったです。
こういうの有り得そうて感じ。
21 ロンドンコーリング るるるぶ☆どっぐちゃん 1000
ジョー・ストラマーのことよく知らないけど、
ジョー・ストラマーならこんなこと言いそうだなって思える。
これはジョー・ストラマーの力だ。