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遅ればせながら86期感想その1

 掲示板でははじめまして。
 短編に参加させてもらって一年が過ぎ、その間みなさまからさまざまな感想をもらい、そのたびに一喜一憂ながら楽しみ学ばせていただいたので、今回私も感想を書いてみることにしました。
 思った以上に時間がかかってしまい、遅ればせながらですみません。
 ネタバレ満載ですのでご注意を。読み間違えなどありましたら、教えていただけると幸いです。










1 覚醒
アンデッド さん

 愉快なような、怖いような、不思議な印象でした。
 思考の抽象化+ループ構造かなあと思いましたが、短期記憶障害の人の話とストレートに考えた方がいいのかな?
 個人的なことですが、一瞬ネタカブリかと思って肝を冷やしました。



2 シェア
山羊 さん

 ストーリーの最初の流れはいいのですが、オチで首を傾げました。
 いったい誰が来たんでしょうか? なぜ独り身を装わねばいけないのでしょうか?
 そこらへんが読んでいてよくわからなかったです。オチなしの物語でもいいですが、それにしては思わせぶりな展開なので気になる。
 あと、最初で自己紹介する文は不要に思えます。2回も入ってるから、そこに何かトリックがあるのかと気を取られてしまったので。



3 生徒会の秘密
へげぞ さん

 良かったです。顔がいい人は性格が悪いなんてときどき言われますが、それを逆手に取った展開が好みでした。
 ただ文章のおかしいところがところどころあるような。「大善人」とか「確かにかわいいファンクラブまであるあの子」のあたりとか、読んでてなんか気になります。
 最初は三人称で書いてるのに途中から一人称になるあたりもどうかなと。全部一人称でよかったように思えます。



4 夜のハーメルンの雪散りの恋
カニメス錠 さん

 ファンタジックな雰囲気がいいかんじです。折鶴を貼り付けたような衣装とか摩天楼の谷間で綱渡りをするだけで生活している集団とか。幻想的で素敵。
 ですが文章が少し読みづらいのが残念。とりあえず「摩天楼」と「ハーメルン」の単語を使いすぎているのがよくないんじゃないかなあと。



5 和蕎麦エレジー
朝野十字 さん

 面白い。蕎麦依存症というなんだかありそうななさそうな病気をテーマにすえたのもよかったし、途中でスパイ映画のようなコミカルな展開になるところも楽しかった。
 でもそれだけにオチが今ひとつ。世界史系ジョークで似たようなもの(そっちの方では性欲が溜まった男が「そうだ!らくだとやろう」というネタ)を見たことがあるだけに、「これかあ」と残念な気分でした。



6 WORLD SCRUTCH
キムヒョジュン さん

 文章を酷評するときの常套句として「これは日本語じゃない」というものがありますが、それを皮肉ったネタかと感心しました。たしかに「短編」では、日本語で書くという規約がないですものね。
 しかし私の英語力がないのでそれ以上の感想がかけないのが残念。



7 アクロバチコ・アクロバチカ
くわず さん

 なぜ改行がないんでしょうか。あえて改行を使わない意味合いがあるように思えず、たんに作品を読みづらくしているだけにしか見えないのがもったいないと思います。
 話の内容は「聖☆おにいさん」のようなノリで大変面白いので、本当にもったいない。



8 雪の雨
橋元狐守 さん

 こういうちょっぴり切ない話とか好きです。主人公の気持ちとか、ヒロインとの心のすれ違いとか、とても共感できました。
 でも文章が荒削りで整っていないように思えます。あちこちに、ここをこうすればもっとよくなるのになあ、という表現がいくつもありました。



9 新年、新月、凍て夜に
おひるねX さん

 これも文章が読みづらいのがちょっと。句読点の使い方とかがどうかなあと。一人称や漢字の使い方にも揺らぎがあって、もし使い分けていたとしてもそれが伝わってこないです。
 新星というガジェットを出しているのに、それが結末に生きていないのももったいないと思いました。



10 家庭の事情
彼岸堂 さん

 この異世界感がいいですね。読んでてTmakをイメージしてしまう私はろくでもない読み手です。
 この世界では生首にして生かすことが最高の愛情表現なのでしょうか? そこらへんがどうもはっきりしなかったので、最後の展開に共感できなかったのが残念でした。いや、共感するべきものじゃないのかもしれませんが。



11 集中、ひらめき、愛、覚醒
戦場ガ原蛇足ノ助 さん

 序盤の表現がとても好きです。多少回りくどい比喩がごてごてしているところが、読んでいて嫌にならないのはセンスの良さでしょうか。とくに「これから机の木目に沿って内側に染み込むところだから決して話しかけてはいけません決して」の部分とか凄くいい。
 それだけにラストの簡素さがどうも納得いかず、どうにもバランスの悪さを感じてしまいました。まあ、タイトルから最初にスパロボを思い浮かべたようなろくでもない読み手の感想ですが。



12 夜を説く
笹帽子 さん

 一人称で敬体というのは最近の小説だと珍しいのではないでしょうか。少なくとも私は見慣れなかったので新鮮でした。
 物語も幻想的で好みです。最後から二番目の文で、小説と小夜がごっちゃになってる演出とか、いいなあと思いました。
 Excelで小説を書くというのも、なんだか素人っぽくていいガジェット。



13 カマンベイベー
森下萬依 さん

 軽妙な展開で台詞が多く、するっと読めるところが良かったです。
 しかしその点がまた、心に残るものがあまりないということになり、票を入れるには弱いかなあと。
 まあ、読んでて最初に少女革命ウテナを連想してしまうようなろくでもない読み手の感想ですが。
 



14 冬の放課後
西直 さん

 冬の放課後というタイトルから、ひと気がなくなぜか時間の流れの遅いモノクロの情景がすぐに出てきて、内容もまさにそれによく合う物で、良い読後感を味わえました。
 アトピーの女子という生々しさを出したのもよかったです。アトピーって現実には多いですが、創作の登場人物の特徴としてはあまりみないですよね。
 ただ最後に突然「恥ずくて」という訛り(関西弁? 若者言葉?)が出てきたのが、どうにも違和感が。



15 ARK
高橋唯 さん

 文章や展開が書きなれている感じでするする読めます。高橋唯さんの作品はグロテスクな表現が多いので苦手なことも多いですが、今回はそれほどでもなく安心して読み終わりました。
 しかしテーマの不平等な双子・恨みによる入れ替わりというのが、あまり目新しくないなあと不満に思ってしまいました。まあ、最初に魅音と詩音を思い出したようなろくでもない読み手の以下略。
 タイトルのARKが内容とうまく結び付けられず、そこになにか見逃している妙味があるんじゃないかと気になってます。

遅ればせながら86期感想その2

16 スナック
借る刊 さん

 子供に酔っ払った様子を異常だと思われるということは、この父親は普段は酒を一滴も飲まない厳格なタイプだったんでしょうねえ。そういう想像が広がる物語というところがいいですね。
 でもテーマのわりにあっさりとしすぎているのが個人的に物足りなかった。もっと路地裏の猥雑な匂いが漂うような方が好みです。



18 評
三毛猫 澪 さん

 メタ物ですね。
 自薦可のかわりに三票使い切りだと、実質は二票しか使えないのと同じじゃないのとか、さらに考えると現行制度で投票しない人は自作に投票しているのと同義になるのかとか、いろいろ考えがふくらんで面白いです。
 ただその面白さは、小説の面白さと認めていいものか迷うところ。



19 天国 と 地獄
中崎 信幸 さん

 正統派のショートショート、好きなジャンルです。台詞だけで構成しているあたりも、アイデア勝負ならば文句なし。
 しかしそのアイデアがなんというか物足りない。見え見えのネタというわけではありませんが、オチを明かされても「そうきたか!」という意外性を感じませんでした。といってもどこが悪いのかをはっきり説明できないところが、アイデア勝負の難しいところですね。



20 未だだ。
交野幻 さん

 スズメが肉片を運んでくるというさりげないガジェットが魅力的でしたが、文章にひっかかりを覚えるところが多くてどうにも話にのめりこめませんでした。
 約束を切るなんて言い回しはあったか。拳銃を一丁ではなく一銚と数えることはあるか。「自然の必至」とはなにか。「俺すらとも」という表現はおかしくないか。
 そこらへんが気になりました。



21 見えない線
(あ) さん

 夢十夜の運慶の話を思い出しました。
 熟練すると頭の中で半分くらい出来上がっちゃうものですよね。私も小説を書くときにそうなりたいもの。
 絵を描く前に線が見えるというのはよくある話ですが、そこでデジタルの作画道具を持ってくるあたりが新鮮。でもその新鮮さが吉なのか凶なのかが、読者によって変わってきそうです。



22 夢
みうら さん

 序盤までは当たり障りのない話だなあと思ってましたが、後半からの怒涛の展開に感嘆してしまいました。
 この不条理さが不思議なことに実に自然で、「そうそう、夢ってこんな感じの終わり方するよね」と納得できるところが凄いと思います。



23 パターンB
qbc さん

 感想が難しいです。この小説の技巧にぴんとこないのです。ネガティブな展開を続けてラストのパターンBのあっさりぶりを叩きつけるのが肝なんですが、そのあっさりさがどうも好きになれません。
 ところどころ読んでいて引っかかる文、たとえば「二一歳の会社の派遣スタッフの女の子と一夜限り前提の行為を終えて」とかはどうかと思います。



24 繋恋橋
クマの子 さん

 情景が大事なお話だと思いますが、その映像がなかなか思い浮かびにくいところが残念です。「両端が宙で途切れたままの橋」といってもすぐにはイメージできず(私などつり橋が浮いてる様子を想像してました)、後で出てくる「水の中に建てられた鳥居の様にも見えた」というところで、初めてわかる気がします。序盤でわかりやすい描写にした方がよかったんじゃないでしょうか。
 あと文章に「〜た」で終わる文ばかりのため、ぶつ切りになってるような印象があります。



25 女がウサギになるまで
宇加谷 研一郎 さん

 不思議な味わいです。会員制秘密倶楽部の話と思ってもいいのでしょうか。
 最初に出来てきた男に、主人公の女は思慕のようなものを抱いたのか。そのあたりが見え隠れしつつもはっきりしないところなどが味わい深いです。



26 デジタルデバイド
黒田皐月 さん

 「デジタル」と「極端」をイコールで結ぶテーマに納得が行かなかったので、全体的にすっきりしませんでした。
 論文調の構成もどうもストレートすぎるなあという感じがします。個人的にはこれにキャラクターを付け加えた方が好みです。



27 ヒデとマサの話
鼻 さん

 テーマとしては斬新というわけでもないですが、読んでいて予想を裏切られる心地よさが味わえたのは構成の上手さでしょうか。
 中年男性同士の同性愛というある意味醜悪さを思わせるオチも、とてもよかったです。



28 日だまりの詩
euReka さん

 詩的な表現が上手いなあと感心しました。千字を越えるボリューム感もあって、いいお話だと思います。
 数式も雰囲気が出ててよかったです。セックスと光合成と詩と死が絡んだ事物は気持ちいいものであり、それは恋であり、神であり、空虚だという意味でしょうか?



29 削除されました。
謙悟 さん

 これもメタなテーマ。タイトルを見た瞬間ぎょっとしたので、その意味ではこの作品は成功しています。
 ただお話の内容がごく普通だったのが残念なところ。話ももっともメタメタしててもよかったんじゃないかなあと。



30 エンドレストラック
壱倉柊 さん

読者の共感というのはどんな小説にとっても大切なものですが、この作品はとくに共感が必要となる形式ではないかと思いました。
物語性やキャラクター性ではなくテーマで勝負している作品だと思うので、そのテーマに感じ入るものがなければ、何一つわからないんじゃないかあと。
短く言えば、悪い作品じゃないんだろうけど、どこがいいのかわからなかった。ごめんなさい。



31 ウェルドイット!
キリハラ さん

 面白かった。彼女のキャラクター性が見事な具合に出来ており、読んでて心地よい。
 気になる点といえば、彼女の名前の「真冬」が、最初の1回しか呼ばれておらず、その後はずっと「彼女」で通してるのが、真冬が名前だと認識しづらいのがもったいないかなあと。
 あと、ジュラルミン板ではなくジュラルミン版となってるのも気になります。



以上です。

Re:遅ればせながら86期感想その1

〉2 シェア
〉山羊 さん

〉 ストーリーの最初の流れはいいのですが、オチで首を傾げました。
〉 いったい誰が来たんでしょうか? なぜ独り身を装わねばいけないのでしょうか?
〉 そこらへんが読んでいてよくわからなかったです。オチなしの物語でもいいですが、それにしては思わせぶりな展開なので気になる。
〉 あと、最初で自己紹介する文は不要に思えます。2回も入ってるから、そこに何かトリックがあるのかと気を取られてしまったので。

真摯な感想ありがとうございます。私のクセというか欠点なのですが、いつもヒントを置き忘れてしまうところがあります。ですので、えぬじぃさんの感想にはハッとさせられました。
“ミスリードでした”というオチなので、そこをどう伝えるかが今後の課題だと痛感いたしました。せっかく自己紹介したんだから、名前をもっと利用できたらよかったのかもしれませんね・・・。
えぬじぃさんの凝ってるにも関わらず綺麗にスパッと終わる短編、いつも参考にさせていただいております。私もいつか読み応えがあって明快なオチが書けるえぬじぃさんのような作家になりたいです。

Re*2:遅ればせながら86期感想その1

いやいや、解ります。dokukairyokuダヨ。

Re*2:遅ればせながら86期感想その1

あー! ようやくわかりました。
二番目の話は、一番目の直前の話だったんですね。
そのからくりに気づくと、面白さが倍になりました。
しかし私の読解力のなさなのか、今頃になって気づいたのが悔しい。
私だったらこの話の肝のセリフは「こんばんは」じゃなくて、もっと特徴的で、こんなの使うのは一人だけだなって挨拶にして、わかりやすくしたと思います。あるいは、地の文で特徴的な仕草や外観を描写するとか。

とはいえ、あまりにわかりやすくしすぎると、オチ物の場合は面白さを損なってしまいそうなのが難しいところです。
私もオチ物を書くとき、オチがバレないようにしようとするあまり、わかりにくいオチになってしまうことが多々あります。

Re*3:遅ればせながら86期感想その1

〉いやいや、解ります。dokukairyokuダヨ。

読解力といいますか、英語力といいますか。
中学生のときから英語は苦手で、英文を見ただけで逃げ出すようなヘタレな読み手です。
今回の作品も、なにか中南米の話をしてるな、ぐらいしかわかりませんでした。すみません。

Re*4:遅ればせながら86期感想その1

donworry. that means YAMAHITUJIs ap. myp
is only noroke. が
thats allright .
ah... will kill themselfs...

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