題名と無関係のことでも書きたいことがあって、しかし返信とするほどまとまってもいなくて、こんなところに書くとまた犬呼ばわりされることは仕方のないことですが、まずそちらから書きます。
内輪の投票など、どこにありますか?
証明できないことをそう言いたてるのは、失礼なことではないかと思うのです。
内輪ついでに別のことを言ってしまえば、実はこれも証明はできないことですが、今期流行の匿名氏の中に『短編』の有名人が三名ほどいるのではないかという気がします。しかもそれと見せずに内輪話にも思える空気を持っているような。匿名に意味があるのならば、固有名詞は絶対に出さないこと。
注:この記事のこの部分の削除依頼には応じます。掲示板での返信よりも電子メールにてお願いします。二十四時間以内で対応できるかと思います。
さて、次。
前の書き直しでまた間違いをしてしまいました。注意不足によること、済みません。間違いがあるのは、『嫌いなこと』の冒頭です。
〉 夏になると憂鬱になる。台風が来ると高揚する。そして秋晴れが続くと、また憂鬱になる。晴れが嫌いなのかと言えば、そうではない。しかし西高東低の冬が来て寒い晴れが続くと、何も思わない。
「しかし」はあってはいけません。
ようやく本題ですが、『月の上で』の書き直しです。今回は、ダッシュや三点リーダを少々排してみました。良かれと思ってやったことではなくて、ただの実験です。本当は全部なくしたかったのですが、無理でした。
−−−
幾重の願いをかけたくなる、月。夜の中に儚く浮かんで、あたかも微笑んでいるかのように暖かく、優しく光って。その美しい月光を、夜道いっぱいに降らせて。
だけど、そんな月の実体は。石と砂、幾つもの窪みだけの、寂しい世界。
ある時、そんな月に一人の少女の魂が現れた。少女は暫く目蓋を閉じていたが、やがてゆっくりと開いた。
「? ここは……」
私はゆっくり起き上がると、辺りを見渡した。音のない、石と砂、幾つもの窪みだけの世界。空は真っ暗で、だけど幾つもの星がぽうぽうと光を降らせている。
私は声をあげずに微笑んで、呟きを零した。
「約束のとこに、来れたんだ……」
そして、目の前にあるのに遥かな星、地球を見つめた。
初めて遠くから見るな……青くて、キレイ……私もあの星に、いたんだ……
そう思うと、胸の中がキュウと痛くなった。だって、私はもう……
皆、今頃どうしてるんだろう。私の体、もう燃やされちゃってるかな……
考えれば考える程、あの星に帰って息をしたくなる。私はもう地球から離れた月にいて、息はできないけれど苦しくなくて、だから思っても無駄だってこと、知っているのに。
「さゆ、あれが月だよ」
いつかふたりで……、ふと灯の、大切な人の声が、頭の中で響いた。
灯は、あの星で生きている間、いつも私を憶えていてくれるだろうか。想っていてくれるだろうか。ああ、こんなこと、思っちゃ駄目だ。そう思うのは、灯を苦しめるだけなのだから。
私は灯のいる青く輝く地球を見つめながら、その場に座って目を閉じた。目蓋の裏の青の残像が、群青から紫に萎んでいった。紫色で小ぶりなもの、頭の中にラベンダーの花が浮かんだ。この花、灯にあげようとした。
「灯。わたし、灯にあげたいものがあるんだ」
「ん?」
「はい。ラベンダー」
「さんきゅ。でも、何で?」
「ラベンダーには、……うぅっ」
「さゆ!」
結局私、灯にラベンダーの意味を教えてあげることもできずに、発作を起こして死んじゃったんだっけな。灯はそれでも、約束、憶えていてくれるかな? ううん、灯なら絶対、憶えていてくれるよね。
私は再び目蓋を開き、変わらず青く輝く、灯のいる地球を見つめた。
ラベンダーの花言葉。
『あなたを、待っています』
……待ってるよ、灯。約束の、月の上で……
−−−
もう次はないと思います。来期の投稿作もまだですし。