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 済みません。今期はやる気が起きないのです。ならばやめても良さそうなものですが、おそらくもう一度やめたら再起できないのだろうという気がしますので、やる気のない感想です。どれくらいぶりか、本当に感想をまったく書かない作品があります。その作者にはおわかりのことと思いますが。

#1 自動筆記
 性行為を描いたものであろうと思った。

#2 春に、長い髪の彼女を思う
 「灰色の線が〜二人を穴に突き落とした」が疑問。本作は主人公の心情でできているはずなのだが、なぜそこだけ彼女を道連れにしているのだろうか。

#3 手
 この手で、といった表現があるとおり人間はある意味手で生きているのだが、その考察。生きることを一言で表せるような言葉はない、その答えを導いた場所が生きていることを端的に示す工場であることは、良い選択だと思う。

#4 The Blue Marble
 従者が木の実をもぎ取ろうとする場面、「肩越しから伸び来る腕」とはどのような位置関係だったのだろうか。

#5 サクラ・テレパス
 最後に心境を風景に託すのはありがちだという感想は、第66期の長月氏や私の作品に向けられたqbc氏のものだっただろうか。甘くするのならもっと、あと一文、心情もしくは行動を加えるべきではなかろうかと思った。

#6 ケチャ
 題材はケチャだが、内容はケチャである必要はない。ケチャを選んだ理由は、心情の純粋さを求めた結果だと私は思った。それとも、よく知らないものだからそう見えたのか。それなら作者の勝ち。

#7 血流
 自分の腕に噛み付くのは、もはや狂乱の域だと思う。それにしては行動が冷静だと思ったのだが、いかがなものだろうか。

#8 あの娘になりたい
 「50%」、エクスクラメーションマーク、「好き」と「すき」の使い分けと、視覚に頼る部分が多い。本当に必要なのはそういう見え方をするものではなくて、主人公の表情が見える描写であると思う。それに、甘いのならもっと甘く、執拗に。

#9 水面下に生きる
 行動の描写は良いと思う。しかし、キスは息を吹き入れるものではないだろう。

#10 擬装☆少女 千字一時物語28
 これで今年中の連続無得票記録更新はなくなった。

#11 綻び
 遊びなので斬ったまね、途中まではそうだったはずだが、最後は本当に枝は幼い子供の身体を突き破ったように見えた。実に危険な遊びである。存外、世界情勢の諷刺なのかもしれない。

#12 とあるひととき。
 久己が何者なのかは書いてあってほしかった。それから、『ときめきトゥナイト』を知っている人の感想を読んでみたいところ。

#13 あー休日は寝たいけど寝たらすぐ終わるしさようなら。
 題名の「さようなら」とは何だろう。
 感想の一としては、箱は踏みつけてほしいと思ったことと昇竜拳の描写は面白いと思ったこと。感想の二は、エヴァンゲリオンだの昇竜拳だのはもうひと回り過去の産物であり今時の子供らが知っているのだろうかと思ったことである。

#14 ドミノ
 今期の予選投票の行動理由から、投票できずに残念に思っている作品。
 ドミノを起こしておきながら財布を回収しただけで立ち去ってしまう主人公と、ドミノの惨状をあえて描かない書き方が良いと思った。

#15 白山羊
 黒山羊が黒山羊である理由がわからなかった。これは読めていないのではなく足りないのだと思う。

#16 家庭教師
 感想を拒否する。前後に二度書いた投票行動の理由も、これによる。
 描かれた行為だけでも嫌悪を表明する黒田皐月だが、さらに品格がないのは、と言いたいのは、実は当人にそれが欠けているから?

#17 存在のゆらめき
 欲を言えば、煙のように消えるのではなく、薄くスライスされて本のページの間に挟まっていってほしかった。

#18 イマジナシオン
 こういう置き土産は面白いと私は思う。いつか、千字よりもずっと長い作品で使ってみたい。それから、携帯電話の発信者が誰かを書かなかったのは良い手法だと思う。難を言えば、絶望具合が薄いことだろうか。

#19 声に出して、ネバーランド
 この方がこういう心情を書いたのは意外だった。子供がいて、大人がいる。そういうこと、私は本当にわかっているのだろうか。

#20 九龍
 投票の多さを見て初めて興味を持ったほどに、読み逃していた。カオルーンの呼び方は知っていて、響きが好きだと思ったことは同じで、だからだったとすれば、すこぶる甘い読み方だ。
 名前と彼女と現すことが使い分けられていると思うのだが、私は段落の最初だけに名前を使う方法が良かったのではないかと思った。

#21 嚥下
 これも今期の予選投票の行動理由から投票できずに残念に思っている作品。森氏の作品に投票したいと思ったことは、実は初めてかもしれない。描き方が強烈なだけ、描くものと合いさえすれば輝くということなのだろうか。
 ここで言わずともわかることなのだが、感想なのであえて書くと、実際には主人公は命を落としていない。しかし自分の心が一度死んだことが、恐ろしく描かれている。最後にはそれは骨と表現された。この言葉の選び方は、すごく良いものと私は思った。

#22 ホーム
 私は黒い箱を殺された彼女の未練と読んだ。ぐらぐらと揺れたその箱が暴発すれば、高尾の桜を見ることもできないまま霧散してしまうだけだろう。それは悲しみを増す。

#23 箪笥角
 作品とはまったく関係のない思いなのだが、前期までのものはあれで打ち止めなのだろうか。
 箪笥角に足の小指をぶつけると巨大化するのね。それを千字で書こうとしたのは度胸なのだろうが、ヒーローには苦悩が必要だと私は思ってしまう。

 今期は掲示板が異様におとなしいのだが、そういうときこその黒田皐月なのだと自負していた頃があった。だから今でも、最低限のことはしておきたい。記名投票と否定的感想の次は、感想への感想即ち作品解説だ。

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