三回目です。
「もういい加減に」という向きもございましょうが、いや、すみません。
水たまり Kさん
とても好印象を持ちました。失礼な言い方ですが、話者の考えている内容は正直どーでもいいことなのですが、こちらを退屈させるほどの長さでもなく、一定の説得力も持っていると思いました。
細かいところを突き詰めると違和感がないでもないです。「蒸気が静かに立ち昇っていた」は、それが素直に水蒸気を示すならば「見えるのかな?」と不思議に思うのですが、この作品の性質上、「蒸気」が即ち水蒸気ではなく、不可視の何かと読み取ってもいいかもしれません。
新藤さんはいなくていいとも思うのですが、彼にも役割はあるし、難しいところだと思います。
お楽しみはこれからだ! 宇加谷 研一郎さん
すごくおもしろかったです! どこに注目してどのように読んだ、というようなことを明確にせず、ただ思ったこと書きます、とだけ宣言して感想を書いた時、自分がいいと思うほど感想は短くなってしまいます。困りました。次回書くことがあったらもっと自分にもルールを課そう。
ただ、僕はこの作品をものすごくおしますけど(僕がおしたところでどこにも何も進まないんですが)、正直何がいいたいのかっていうのはさっぱりわかりません。けれどわからなくてもおもしろかったと思わせる作品ならば僕はそれでいいと思うのです。
小人レシピ 柊葉一さん
一段落目で引き込まれたんですが、小人がでてくるのにメルヘンチックな感じがしなくて素直に楽しめませんでした。「ジャム」とか「シチュー」とか、いかにも小人が食べそうな(勝手な偏見ですが)ものが、むしろあざとく感じられるくらいです。そうした不快感は、「足の親指」からくるものだと思いました。話者が虫に食われたとしか思わなかったくらいの量です。ほとんど足の皮だと思われます。僕は剣道をやっていたので足の皮が厚く、たまにべりっと剥けたりするのですが、小人が「肉」と言っているものが僕の中でその足の皮に取って代わるのです。そうなるともうシチューだって足の皮です。小人だってそれこそ「小さな虫」と大差がなくなってしまいます。小人に持つメルヘンチックなイメージを払拭しようという意図がないのならば、もっと違うことを書いてほしかったです。
なんて憂鬱な日常! 水野凪さん
865文字にしては長く感じました。けれどそこにあるものはあまり多くないように感じました。
「嫌気どころじゃない何かがさしてきて」
ここ好きです。話者の、もしくは作者の中にある何かが見える気がします。先の段落で胃液が上ってくる感覚を僕は想起しましたが、それも効果的に手伝って話者のやるせない気持ちがよく伝わってきました。
すみません。明日には書き上げます。多分。
こう、今期に限ったこと、なんですが、こうして感想を書こうとじっくり各作品を読んでいると、小説ってなんだろう、小説を書くってどういうことなんだろうと思ってしまいます。何か建設的な議論を呼ぶ類の思いではありませんので、というより僕が臆病者なのでどういうことか説明はしませんが。読むとそう思ってしまう小説が今期はちょっと多いように思います。
いや独り言です。